◆ビジネスシートでマイグラス
かなり以前、雑誌のグラビア記事にこんなものがありました。
半白髪の熟年紳士が、カットのほどこされた美しいオールドファッションドグラスを片手に、紙製のショッピングバッグを下げて立っている写真。
曖昧な記憶で恐縮ですが、記憶によると、この紳士は世界を飛び回る多忙なビジネスマン(学者、評論家??)で、彼の旅の楽しみは機内でくつろぎながら味わうお酒なのだそうです。ヴィトンやエルメスといったブランドもののバッグには興味がなく、「機内持ち込みの手回り品などこれで十分」と、デパートで商品を入れてくれるようなショッピングバッグで搭乗します。しかし、ビジネスクラス(?)のシートに陣取ると、ショッピングバッグからおもむろにこのカットグラスを取りだし、好みのお酒を注いでもらうのだそうです。その時間が、彼にとってとてもリラックスできるひとときなのだとか。
そのグラスが(特注のようでした)どのメーカーのものかは忘れてしまいましたが、この記事を読んだとき、
「そんなに気に入ったグラスを持っているなんて素敵だなぁ」
と、まだ若かったわたしは思った記憶があります。
◆世界に一つのお気に入り
グラスがバッグであってももちろんいいし、グラスが特注の高級品でなくってもいい。大切なのは、「自分にぴったりのお気に入りのモノがあって、それが幸福なひとときを作ってくれる」ということだと思います。そういうモノが一つあると、心が豊かになりますし、きっと同じようなモノをあれもこれも欲しくなくなるでしょう。
また、「マイ○○」は省資源にも貢献します。スターバックスコーヒーのタンブラーや、スーパーマーケットが歓迎する「マイバッグ」などがいい例ですね。紙のカップやがさがさのポリ袋よりも、気に入ったデザインのカップや木綿・麻素材のバッグ方が使っていて心地いいのは当然だと思います。それに、自分の気に入った素材やデザインのものを探す楽しみもありますよね。いいのがなければ、思いきってオーダーしてみたり、腕に覚えのある人なら、市販品にアレンジしたりイチから自作してみたり…。
スーパー業界主催で「マイバッグコンテスト」なんてやったら、盛りあがるんじゃないでしょうか。(もうやってたら失礼!)
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