チェコ/チェコ基本情報

チェコのエリアガイド(4ページ目)

チェコは大きく首都プラハを中心としたボヘミアと、ブルノを中心としたモラヴィアの二つの地方に分かれています。さらに歴史的な観点から、モラヴィアのポーランドと国境を接するエリアをシレジア地方として区別することがあります。それぞれの地方の代表的な町を紹介し、チェコの多彩な魅力をお伝えします。

執筆者:増田 幸弘

モラヴィアの古都、北モラヴィア

クロミエジーシュ

世界遺産に指定されているクロミエジーシュの庭園。きれいに整備されて、気持ちのよい空間が広がっています

オロモウツ

天文時計が有名なオロモウツの市庁舎

北モラヴィアはブルノの北側に広がるエリアで、オロモウツが中心。オロモウツへはチェコ版新幹線ペンドリーノで2時間10分です。旧市街は駅から離れているため、バスかトラムを使って移動します。

オロモウツはブルノの北東に位置する古都で、地味ながらも落ち着いたチェコらしい街です。司教座が置かれ、ブルノに都が移るまではモラヴィアの中心でした。街の中心にホルニー広場があり、この広場にたつ聖三位一体の碑という大きなモニュメントは世界遺産に指定されています。また市庁舎には天文時計があり、プラハの天文時計と合わせて人気があります。

オロモウツの南に位置しているクロムニェジーシュは、オロモウツの大司教が暮らした美しい城と見事な庭園があることで知られています。この城と庭園は世界遺産にも指定。一帯には肥沃な土地が広がり、ビールやウィスキーに使うモルトの生産が盛んです。

 

時代に翻弄され続けるシレジア

オストラヴァ

オストラヴァのマサリク広場。プラハともブルノともちがう独特の雰囲気が漂っています

オパヴァ

シレジアの中心だったオパヴァ

シレジアはポーランドとの国境地帯に広がる地方で、チェコ第3の街であるオストラヴァが中心。プラハとオストラヴァへはチェコ版新幹線ペンドリーノの便があり、約3時間30分で結ばれています。

旧市街は広いマサリク広場の周辺に広がり、旧市庁舎など瀟洒な建物が軒を連ねています。広場には市も立ち、庶民的な雰囲気が漂います。もとは石炭の採掘で繁栄した工業都市で、街の周辺に大規模な工場がありますが、石炭の採掘は現在おこなわれていません。

オストラヴァの北西にあるオパヴァはかつてチェコ・シレジアの都が置かれていました。都とはいってもとても小さな街で、人口も6万人程度です。旧市街は市庁舎と劇場がたつホルニー(上)広場と、教会がたつドルニー(下)広場という二つの広場の周辺に、こぢんまりとまとまっています。
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