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変わりゆくアメリカの入出国管理 短期旅行で指紋スキャン!?(3ページ目)

同時多発テロ以来、顕著な変化を続けるアメリカの入出国管理システム。これまでの主な動きと、今後数ヵ月の間に導入が予定されている重要な変化をチェックしてみましょう。

執筆者:南田 登喜子

ビザなし入国には新型パスポートが必要?

アメリカ政府は、2004年10月26日以降は、規定を満たす機械読取式パスポート(MRP/Machine Readable Passport)を所持しない外国人の入国にビザを求める方針を発表しています。


▼ビザ免除プログラム参加国に新たな規則が適用されるのか? (在日米国大使館ウェブサイトより引用)

「2004年10月26日までに、ビザ免除プログラム参加国は、国際民間航空機関(ICAO)の基準を満たす生体識別情報を含む機械読取式旅券を国民に発給するプログラムを持っていることを証明するよう、米国パトリオット法により要求されている。2004年10月26日以降に発給されるすべての旅券は、その所持者がビザ免除プログラムの下で米国入国を申請する場合、ICAOの基準を満たす生体識別情報を使用する渡航文書でなければならない。」

写真のタイトル
入国審査では、パスポートのケースは外しておく

ちなみに、1992年12月以降に日本国内で発給されているパスポート(※)はすべて「機械読取式」。ただし、生体識別情報は含まれていません。外務省は、「我が国を含め各国にとって2004年10月26日までに生体情報を搭載した新たな旅券を発給することは、極めて難しいというのが実情」としています。

※海外で発給された機械読取式でないパスポートは、「機械読取式」に切り替えが可能
 ⇒外務省「海外の日本大使館、総領事館及び駐在官事務所で旅券の交付を受けた皆様へ」参照)

予定期日通り、ビザなし入国に「生体識別情報を含む」機械読取式パスポートが要求されるかどうかは、まだ不透明。議会は2年間程度の延期を検討しています。いずれにしろ、アメリカ政府は、最終的にはあらゆる出入国管理にバイオメトリクス技術を利用していく意向のようです。

日本政府は、ICチップ付きの新型パスポートの導入を2005年度中に目指しているといわれています。先月行われた犯罪対策閣僚会議では、外務、法務など関係省庁が連携して作るワーキングチームの発足を決定。外国人の出入国管理にも、生体情報による認証システムを導入することを本格的に検討するようです。「空や国境のセキュリティ改善」は、アメリカだけでなく、世界各国の優先課題のひとつ。渡航関係のシステムはここ数年で大きく変化しそうです。


(注)ビザや出入国に関する規定は、今後も頻繁に変更されることが予想されます。最新情報は、必ず米国大使館や領事館、または、米国国土安全保障省などでご確認ください。

【関連リンク】
 ビザ情報、パスポート情報
 アメリカ留学
 米国政府による外国人渡航者からの生体情報読み取り措置について from 外務省
 Fact Sheet: US-VISIT from Department of Homeland Security(英語)
 非移民ビザチェックリスト 面接予約の前に from 在日米国大使館

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