今回は、学生時代に政府の奨学金を得て、ウィーン大学に長期留学された細野裕子さんにお話を伺いました。世界各国の留学生が暮らす学生寮での生活やホームシックの経験は、研究生活を離れた現在のお仕事にもしっかり活かされているようです。 |
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―― 論文執筆のための研究調査・資料集めを目的に留学されたということですが、もともと長期留学しようと計画していらっしゃったんですか?
大学院在籍中に、ダメモトで受けた試験に合格して、奨学金がもらえることになったんです。大学では、研究職につく場合は留学がほぼ必須条件といった感じになってきていますから、私費で行く人も多いのですが、わたしは私費でだったら、絶対留学しなかったと思います。
友人とパリで |
―― ウィーン大学の客員研究員として迎えられたそうですが、待遇はいかがでしたか?
毎月900ユーロの奨学金があり、そのうち400ユーロが家賃でした。残り500ユーロが生活費です。1年間のオープンチケットが150,000円だったのですが、それも渡航費用として、給付されたと思います。
あと、オーストリアの大学は2001年に改革されるまで学費が無料でした。外国人が総合大学に入学する場合は、登録料か何かが必要だったのですが、政府の留学生だったため、これも免除対象でしたね。
―― 給費留学生はやっぱり条件がいいですね! 狭き門ですけど、早くから準備を始められていたのですが?準備を始めたのは、選抜試験の1ヵ月半くらい前ですね。それまでの研究内容と留学後の研究計画をドイツ語で書いたり、現地での指導教官を見つけるために、短い研究内容を送って、返事をもらっておいたり。始めたのが相当遅い方で、大学の先生方にもずいぶん怒られました。半年とか、せめて3ヵ月くらい前に始めるべきだろうと思います。