盗撮・盗聴の対策/盗聴・盗撮を防ぐ

盗撮騒ぎの陰に暗証番号管理の問題あり

先ごろ盗撮騒ぎの起きた病院では、3年前の暗証番号がそのまま通用してしまったことにも問題がありました。オートロックなど入室時に必要な暗証番号の管理には注意が必要です。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

盗撮騒ぎ

4桁の暗証番号を守れ
4桁の暗証番号を守れ
先ごろ、神戸の大学病院で午前2時10分ごろ、外来診療病棟の女子トイレで、当直勤務中の女性看護師(29)が隣の個室から物音が聞こえたのを不審に思いドアを開けたところ、中からビデオカメラを持った男が慌てて飛び出してきたということです。男は「何もしていない。体調が悪いのでトイレを借りた」と話し逃げようとしましたが、看護師と清掃員らに取り押さえられて、110番通報で駆けつけた機動捜査隊員に引き渡されました。

男はかつて研修医としてそこに3年前まで勤務していた人物で、外来病棟につながる研究病棟入り口ドアロックの暗証番号式の鍵を開けて侵入した疑いで、建造物侵入容疑で現行犯逮捕されました。ドアロックがあったにも関わらず、男が侵入できたのは暗証番号を知っていたからにほかなりませんが、3年前まで勤務していたというだけなのに、なぜ3年後にも入ることができたのでしょうか?

暗証番号のセキュリティレベル

逮捕された男は昨年6月にも準強制わいせつ容疑で逮捕されており、常習者であることがうかがわれるため、いずれはまたどこかで同様の罪を犯したでしょうから、捕まったことは結果としては次の犯行を防ぐことになったのでよかったでしょう。しかし問題は、ドアロックの暗証番号が3年前と同じだったという点です。もし暗証番号が変更されていたとしたら、そこからの侵入は防ぐことができたはずです。

特定の人たちだけが知っているはずの暗証番号ですが、「特定少数」と「特定多数」の違いもあります。知っている人の数が多いほど、セキュリティレベルが下がることは言うまでもなく、今回の事件は、暗証番号の管理の重要性を再確認すべき出来事でした。

通常、暗証番号は4桁で、マンションなどの集合住宅のエントランスのオートロックにも、この4桁の数字を入力してドアを開ける、というスタイルのものが多く使われているようです。入居者が自宅の鍵を差し込んだり、オフィスに多く見られるIDカードによる入室というのもありますが、鍵を持たずに番号だけで入館・入室できるシステムは、費用の面からもとりあえず導入するのに適しているでしょう。しかし、当然、セキュリティレベルを維持するためには、プラスアルファの管理体制が必要になります。


→オートロックへの甘さ/定期的に変更を/あなたの一票/関連ガイド記事 p.2
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