命が大事
いきなり3人組に押し入られて、粘着テープで拘束されて、子供を人質に取られて、あげく「暗証番号を言え」と言われれば、いくら「危害は加えない」と言われても、ウソをつくわけにはいかないですし、3人組の内、誰かが見張りをして、誰かが銀行に行けば、ウソをついたとしてもばれてしまうでしょうから、やはりウソを教えることはできません。「金はどこにある」「キャッシュカードを出せ」と言われれば、人間は恐怖に支配されているときは、言うがままにしか出来ないものなのです。(殺されたり、危害を加えられるよりは、お金で命が助かるならば)と、被害者も必死だったのではないでしょうか。
さいわい、それ以上の危害を加えられることもなく、現金をすっかり奪われたところで、3人組は逃走したわけですが、被害者の恐怖心は一生消えないことでしょう。善意の一般市民を襲った、悪質な犯行です。
「被害者として選ばれた」理由
被害者にはもちろん過失はないのですが、犯人たちは心理的にも、条件的にも「確実に犯行を遂げることが出来る相手」を選んでいたのです。これは、似たような条件にある家庭では、同様の事件の被害者になる可能性が高いということです。小さな子供がいる、集合住宅である、真っ昼間である、月末である、手元に現金もある、などの条件が犯行の理由、つまり彼らの「読み」が「被害者」の「まさか」の油断を招いたと言えるでしょう。
このような被害を避けるためには、いかなる人物がたずねてきてもチェーンをはずしてドアを開けることはしてはいけません。このケースのように「引っ越してきた」というのなら、「何号室にですか?」「お名前は?」などと出来るだけ相手の情報を先に得るようにすべきです。
さらに、「今ちょっと手が放せないので少し待って下さい」と言って、管理人室に電話をしてそれが事実かどうか確認するべきです。そのためには日頃から管理人室の電話番号はすぐわかるところに記しておきましょう。
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