バッテリーライフはどれも300枚以上
機械式手ぶれ補正機構を搭載しているということで、そのトレードオフとなりかねないのがバッテリーライフだ。しかし、今回テストした3機種はEX-Z1200が340枚、DMC-FX100が320枚、DSC-W200も300枚と、どれもCIPA準拠で300枚以上という良好な成績を誇っている。
バッテリーは中型ていどであるにも関わらず、これだけのバッテリーライフを確保できているということは省電力性能が上がっているということなのだろう。
▲ 左からEX-Z1200用、DMC-FX100用、DSC-W200用のバッテリー。大きさはほぼ同じだが、容量はそれぞれ1300mAh、1150mAh、960mAh。 |
どの機種でも普通の使い方をするのであれば2日や3日ていどは余裕で撮影し続けられるはずだ。
その他、ちょっと気になったところなど
3機種を同時にテストして気になったところなどを列挙してみよう。●液晶ディスプレイ
液晶ディスプレイがもっとも見やすかったのはEX-Z1200だった。他2機種が2.5型であるのに比べて、2.8型であるということもあるが、それ以上に輝度が高いことが有効だった。
特にドピーカンの太陽光下で撮影した際に他の2機種では「液晶が見づらいな」と感じたことがあったが、EX-Z1200の液晶ディスプレイは周囲の明るさによって明るさが可変となっており、非常に見やすかった。
●メニュー
EX-Z1200は液晶サイドにメニューが表示されており、これをダイレクトに操作できるのも良好な使い勝手であったといえるだろう。
メニューに関してはDSC-W200は多くの局面において解説が表示されており、非常にとっつき易い印象があったことを明記しておこう。
▲ このメニュー解説のおかげでかなりマニュアルレスで操作できた。 |
●顔認識機能
DSC-W200、EX-Z1200の2機種には流行りの顔認識機能が搭載されている。
どちらも顔認識AF、顔認識AEともに搭載されており、人を被写体としたときに撮りやすくなっている。
特にEX-Z1200の顔認識機能は認識させたい人を登録できるなど、一歩進んだ顔認識機能となっている。
●無劣化ズーム
3機種共に自動的にトリミングを行える無劣化ズーム機能を搭載している。
名称はそれぞれ、HDズーム(EX-Z1200)、EX光学ズーム(DMC-FX100)、スマートズーム(DSC-W200)となっているが、基本的にやっていることは同じだ。
たとえば300万画素にするとDSC-W200/EX-Z1200は約5.9倍ズームとして、DMC-FX100では7倍ズームとして使用することができる。
デジタルズーム(用語解説)のように劣化がないので、それなりに使える。
●動画機能
EX-Z1200はMPEG-4 AVCで最大848x480で撮影可能、DMC-FX100はMotionJPEGで1280x720のHD動画が15fpsで撮影可能、DSC-W200はMPEG-1で640x480の動画がそれぞれ撮影可能となっている。
EX-Z1200以外の動画撮影は容量を相当消費する。それもかなりの大食らいだ。最大解像度にするとDMC-FX100は1GBで4分、DSC-W200は1GBで12分20秒しか撮影できない。
EX-Z1200はMPEG-4AVCの威力もあって、最大解像度でも18分54秒の撮影が可能だ。
●内蔵メモリ
3機種共に内蔵メモリを有している。それぞれ、EX-Z1200は11.4MB、DMC-FX100は約27MB、DSC-W200は約31MBとなっている。
どれも1200万画素モードで撮影すると瞬殺されてしまう。解像度を下げて非常用……といったところだろう。
●その他
・三脚を使用する場合、DMC-FX100の三脚穴は極端に左側にオミットされていて使いにくかった。小型三脚を使用する場合は、転倒しないようにバランスに気をつける必要がある。
▲ いくらなんでもこれは左に寄りすぎでは……。 |
・DSC-W200にのみ光学ファインダーがあり、炎天下で液晶ディスプレイが見にくい状況でも撮影が楽であった。
▲ 最近、あまり搭載されることのない光学ファインダーはかえって新鮮に感じた。 |
・EX-Z1200のみがクレードルを同梱している。その他2機種は充電器同梱。このあたりはユーザーのお好みで。
・DSC-W200は親指でズームレバーを操作する。EX-Z1200/DMC-FX100はシャッターボタンにズームレバーがついているタイプ。
▲ ズームレバーの設置位置は操作性にけっこう響いてくる要素だ。 |
肝心な画質はどうなの?
さて、最後になったが画質をチェックしてみよう。今回テストした3機種共に、画質は充分なものが確保されている。
1200万画素ともなると、暗部ノイズなどをかなり心配していたのだが杞憂だった。もちろん、感度を上げていけばどれもノイズは出てくるがISO400ていどまではどれもさほど問題なく使えるはずだ。
3機種ともに画質は甲乙つけがたい。
階調も充分にあり、もちろん解像度には文句がつけられない。
1.8型1000万画素CCDを採用していたそれぞれのデジタルカメラよりも画質は良好になっているように感じた。
詳細は掲載予定になっているそれぞれのレビューを見ていただきたいが、どれを選択しても通常の撮影で不満を持つことは少ないのではないだろうか。
デジタル一眼レフは大きさなどで持ち歩けないが、持ち歩ける範囲でできるかぎりの高画質を望みたいというような場合、これら1200万画素のコンパクトスタイルデジタルカメラはその有力な候補となるはずだ。