EXILIM Hi-ZOOM EX-V7レビュー
かつてEXILIMにEX-P505という鬼子が存在していた(レビュー)。5倍ズームレンズを搭載しており、動画撮影に特化したデジタルカメラであった。
そのデジタルガゼット感はかなり高く、筆者のようなガゼット好きには熱狂的に評価されたが世間の評価はいまひとつであったといわざるを得ない。
EX-V7はそんなEX-P505をわずかながらに思い出させてくれるデジタルカメラだ。
わずかに大きめともいえるが、ほとんど通常のコンパクトスタイルであるにも関わらず、7倍というズームレンズを搭載している。さらにはCCDシフト式手ぶれ補正機構まで搭載している。
今回は動画に特化したのではなく、動画も充分に撮れるコンパクトスタイルのデジタルカメラとして生まれ変わったのだ。
EXILIM Hi-ZOOM EX-V7
市価 52,800円
07年02月22日発売
まず、取り出して感じるのはその小ささだ。
絶対的な大きさからいえば、「小さい」ということはできない。ごくごく普通のコンパクトスタイルのデジタルカメラにすぎない。
しかし、このボディの中に7倍のズームレンズが搭載されているとなると話は別だ。
最近ではパナソニックのDMC-TZシリーズのように、比較的コンパクトなボディに10倍ズームを収めたものもあるが、これだけコンパクトなものはそうはない。
リコーのCaplio RシリーズもEX-V7と同レベルの大きさで7.1倍ズームを搭載しているが、こちらは通常の鏡筒型のものだ。
▲これまでのEXILIMにない、ややアールの効いたデザインが特徴的だ。 |
レンズは38-266mm相当(35ミリ換算)となっている。一口に7倍というが、ざっとこのくらいの能力がある。
▲上が38mm相当のワイド端、下が266mm相当の望遠端での撮影。これだけ寄れる。 |
屈曲型のズームレンズを搭載しているので、どれほどズームしてもレンズが出てこないというのは利点だ。
ズームでレンズが出てくる様子というのは、被写体に意外なほどにプレッシャーを与えるものなのである。
また、EX-Z1000から導入された疑似光学ズームのHDズームも搭載されており、画質劣化がないままで最大33.2倍までズームすることができる。
もっとも、実用的なのは1段階~2段階ていどなのでそのつもりで使用していただきたい。
カシオ初の機械式手ぶれ補正機構を搭載!
さらにCCDシフト式の手ぶれ補正機構を導入している。カシオのデジタルカメラでははじめての機械式手ぶれ補正機構の搭載となる。
レンズは屈曲型となっているためか、やや開放が暗い(F3.4-5.3)。しかし、充分に手ぶれ補正機構によって救えるレベルになっている。
以前から語っていることであるが、機械式の手ぶれ補正機構と高感度対応は相反する要素ではない。むしろ、相乗効果を及ぼしてくれる。
そのあたりをじっくりと見てみるとしよう。
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