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人から人へ受け継ぐハワイ日系人のお正月

日本からの移民が多いハワイでは、日本以上に昔ながらの伝統的な行事が守られているところもあります。人から人へと語り継がれてきた日系ファミリーのお正月風景をご紹介いたしましょう。

執筆者:上野 元

ハワイ金刀比羅神社
ここがハワイとはとても信じられない光景…?
1885(明治18)年1月に、日本とハワイの合意による第1回官約移民944人がハワイへ渡航。それから120年の月日が流れました。1900年当時には、日系人がハワイの人口の4割を占めたということで、現在のハワイにも、日本文化や食材、習慣といったものが、とても自然に受け継がれています。

戦後、どんどん西欧化されていった日本とは裏腹に、人から人へと受け継がれていったハワイの日系文化は、時に、現在の日本以上に日本らしいところもあったりして驚かされます。

日本が一番日本らしい素顔を見せるのがお正月。ここハワイも同様で、日系人家庭では、さまざまに新年を祝っています。

日系移民の歴史については、こちらの記事をご参照ください。
⇒ 「アロハカワラ版:ハワイ日系移民の歴史」

日系人のお正月料理

日系ファミリーの正月料理風景
お父さんも息子も一緒になって正月料理を作ります。
クリスマスが終わると、お正月の準備、というのは、ハワイの日系ファミリーも一緒の様子です。一般のスーパーにさえも、ミニチュア門松やしめ飾りなどが出回り、和食素材の大根、サトイモ、ハス、ごぼう、ミズナ、ねぎなどが野菜売り場の目立った場所に並べられます。ハワイのスーパーでは、このあたりの素材になると、Daikon、Hasu、Gobo、Mizunaなど、そのままの名前を英語としても使っています。

日系ファミリーでは、自動餅つき機を所有している家庭も多く、もち米を買って、自分の家でフレッシュなお餅を作るのです。当然のことながら、きな粉や小豆などもこの時期には売り出されます。

家庭によっても異なるでしょうが、何といっても日系ファミリーのお正月に欠かせないものの定番ナンバー1は、まぐろのお刺身。この辺は、なぜかハワイ独特の風習です。大晦日になると、鮮魚コーナーには人だかりができるほどで、数日前までとは値段が破格に上がるにもかかわらず、飛ぶように売れていくのです。ニュースでも、「今年の刺身の値段は…」ということが話題になるほど。

その他、煮しめ、天ぷら(主に海老)、かまぼこなども定番ですが、もちろんお雑煮も欠かせませんね。今回、写真を撮ってくれた日系3世と4世が暮らす家庭では、一家全員で元旦の朝から料理開始。メニューには鳥の丸焼きや、ハワイらしくマカロニサラダ、寿司の盛り合わせ(太巻きと稲荷)、そしてなぜか揚げワンタンなども加わっていました。お雑煮の中には、ミズナ、大根、ほうれん草、にんじんが入っている様子です。

もちろん甘いもの大好きのロコ・ファミリーですから、デザートにパイやケーキは欠かせないでしょう。テーブルにずらりと並んだ料理の数々を見てみましょう。

ロコ風雑煮
薄味っぽい印象のロコ風お雑煮。餅は自家製だそうです。

ロコ風正月料理1
チキンの丸焼きにマカロニサラダとは、ずばりハワイ風。

ロコ風正月料理2
海老の天ぷらと揚げワンタンも、とてもおいしそうです。


⇒ 次ページでは、日系ファミリーがそろって出かける場所をご紹介! さて、それはいったいどこでしょう?
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