ハワイ/ハワイロングステイ・移住

連載「実録ハワイアン・タイムは実在する!」 テレビが時間通りにはじまらない(2ページ目)

ハワイアン・タイムという言葉の通り何ごとも予定通りには事が進みにくいハワイ。独特の時間感覚は日本人には慣れにくいものですが、なんと、テレビですら時間通りに始まらないという、ウソのような本当のお話です。

執筆者:上野 元

「コマーシャルをたくさん入れるから遅れちゃうんです」

ラニカイ
ビーチでのんびり。「時間」を忘れてほっと一息。これがいつでもできるから、「ハワイ暮らし」はやめられない。
観察を続けていくと、朝や昼間の番組はそれほど遅れたりはしない様子です。どうも、ゴールデン・タイムと言われる夜7時~11時くらいまでが遅れがち。この信じられないハワイの常識に私はとても悩んだのですが、それが社会問題になっているわけでもなく、その疑問を地元の人々に聞いてみても理由は分からずじまい。その後、慣れてはきたものの、何となくすっきりしない気持ちは残りました。

そして数年後、通っていた大学院のマーケティングの授業にゲストとして地元テレビ局の社長が登場。この滅多にないチャンスに、かねてから胸につかえていた疑問を思い切ってぶつけてみようとしたところ、本土から来たばかりの教授が私に替わって、同じ疑問をぶつけたのです。

教授「ハワイでテレビが時間通りに始まらないのはなぜなんでしょう? こんなことは私の出身地ではなかったので、とてもビックリしてるんですが…。」

テレビ局社長「コマーシャルの需要が多い時間帯に、受注した分のコマーシャルをできるだけ多く入れちゃうから必然的に次の番組が遅れるんですよ。人気の高いゴールデンの番組にはそれだけたくさんのコマーシャルが集まりますからね、できるだけたくさん受注した方が儲かるでしょ。ハハハ。」

な、なるほど…。日本では規制があってコマーシャルが一定量を越えないようにコントロールされていますが、ハワイではなぜか許されてしまうようですね。


時間通りに始まらないテレビ番組の対処法

「地方局は財政が厳しい、だから熾烈な競争をしていて、唯一広告が取りやすい時間帯にできるだけ多く取ることで、経営をまかなっているのだ」、とテレビ局社長の説明は続きました。

それからの私は、少なくとも遅れがテレビ局の「確信犯」であることがわかり、それだけで納得、もやもやした気持ちもすっきりおさまってしまいました。不思議なものですが、でもそれはカルチャーショックの対処法のひとつでもあるのです。理由や背景が分かれば、なんとなく落ち着いてアジャストしていけるものなのですね。

「今回の教訓」
1.ハワイのテレビは遅れるものである。
2.予約録画は、終了時間を10分くらい余裕持って足しておこう。
3.日本との常識の違いも、慣れてしまえばどうってことはない。

今後も、日本とハワイの時間感覚の違いについて、シリーズでお送りしたいと思います!


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