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ネットプライスが狙う新たな戦略とは?(3ページ目)

今回は、ストック型からフロー型へと大きな転換をはかったネットプライス社長、佐藤輝英氏に転換の経緯、そして今後の新たな展開などについてお話を伺っていきます。

水上 浩一

執筆者:水上 浩一

インターネットサービスガイド

ギャザリングとドロップシッピングの連携

登録者数10万人を突破したドロップシッピングサービス「もしも」
登録者数10万人を突破したドロップシッピングサービス「もしも」
ガイド:
ストック型からフロー型へと戻ったこれからの展開、戦略についてお聞かせください。

佐藤:
人気商品に関しては、今のやり方であってもある程度は押さえられると思っています。つまりトップヘッドの部分は「ギャザリング」で確保できる状態が戻ってきました。そして次はロングテールの部分にも注力していきたいと思っています。ここを上手く活用できる仕組みが「ドロップシッピング」なのです。

今、弊社のグループ会社でドロップシッピングをやっている「もしも」がとても伸びてきています。今月12日に加盟店舗数が10万店を突破して、最近では1ヶ月で1万店のペースで増えているんですよ。

ガイド:
ドロップシッピングがロングテールになっているということですか?

佐藤:
はい。「ギャザリング」は1週間という期間を区切って集中的に販売するモデルです。そのため、仮に2週目以降に10個、20個の注文が入るとしても、それよりその週で1,000個、2,000個が売れる商品を並べていきますから、その残りの部分はある意味、機会損失だったわけです。

そこで、その残りの需要をドロップシッパーの販売ネットワークを使って、ギャザリング価格とまではいきませんが、充分に他よりも安い価格で買うことができるという仕組みを作りました。これがいま「もしも」でうまく機能し始めているという状態です。

ガイド:
ギャザリングとドロップシッピングを連携させることによって、お客様の需要にうまく応えていけるということですね。

佐藤:
まず、ギャザリングで短期間に大量に販売しますよね。で、まだテールの部分(数はとても少ないが売れる商品)まではいかないが、ミドルの部分(数は多くないが、そこそこ売れる商品)になっている商品がある。メーカー、問屋さんとしては、このミドルの部分も売りたいわけですから、そこにドロップシッピングを連携させることによってミドルの部分の商品も売ることができる。

ただし、ドロップシッピングだけだと、人気のある、よい商品を調達するのが難しい場合もあります。そこで、私たちはグループの強みを活かし、ギャザリングである程度の量を販売し、実績を作った上で、もしものプラットフォームに移しますから、メーカー、問屋さんにもメリットがありますし、協力してくれています。

ガイド:
まず流通の流れをギャザリングで作っておいて、ミドルからテール部分に関しては、もしもさんのプラットフォームでということですね。

回帰のスピード、グループ会社との連携

今回、お話を伺っていく中で、佐藤社長のストック型からフロー型への回帰の判断、スピード、そして、グループ会社との連携による、新たな商品需要の掘り起こしなど、いい意味でのフットワークの軽さに感銘を受けました

特にグループ会社の連携をうまくいかした「もしも」との融合は、日本ではまだ成功事例の少ないドロップシッピングにとっても今後、大きく伸びていく可能性を感じました。これからのネットプライスのさらなる展開にも期待したいと思います。
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