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物々交換サービスは日本でも発展するのか?

今、ネット上では物々交換サービスが静かな盛り上がりを見せています。物々交換サービスとオークションとの違いは?そして今後、物々交換サービスは日本で普及、発展していくのでしょうか?

水上 浩一

執筆者:水上 浩一

インターネットサービスガイド

米国では既にWebサービスの1つとして認知されている物々交換サービスですが、日本でも今年に入ってからいくつかの企業がこのサービスに参入してきて、少しづつですが注目され始めているようです。

今回は、日本の物々交換サービスの現状、そして今後、日本でもユーザーに認知され人気のサービスになるのかについて見ていきます。

あるアメリカの青年が物々交換で手に入れたものとは?

「わらしべ長者」をご両親からお話してもらったことはありますか?
「わらしべ長者」をご両親からお話してもらったことはありますか?
「わらしべ長者」という昔話をご存じでしょうか?ある貧乏な若者がふとしたことで手に入れたワラを様々なものに交換していき、最後には大きな屋敷を手に入れるというお話です。有名な話なので一度ぐらいは見聞きしたと思いますし、物々交換といった時にこの「わらしべ長者」を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか?

今から2年前の2005年7月12日、アメリカのカイル・マクドナルドという青年がある物々交換サイトに赤いペーパークリップを出品し、これを1年後に一戸建ての家にまで交換していきたいというメッセージを掲載しました。

そして赤いペーパークリップがその後、魚の形をしたペン、発電機、スノーモービル、ハリウッド映画出演の権利など様々なものに変わっていき、最終的に1年後の2006年7月12日、本当に一戸建ての家を手に入れてしまいました。

彼はこの交換が進んで行く様子をone red paperclipと名付けたブログで公開していき、これがアメリカのテレビ、新聞などのメディアなどでも取り上げられただけでなく、日本のテレビ番組にまで登場し大きな話題となりました。

「わらしべ長者」が物々交換サービスの基本?

では、物々交換サービスとは誰もがこの様に、わらしべ長者的な物々交換を目指しているのかと言えば勿論、そうではありませんし、物々交換サービス自体もそれを前提としたサービスではありません。

多くの物々交換サービスは、当然ながら単にいらなくなったものを自分の欲しいものと交換するサービスではなく、自分からも他ユーザーにとって価値のあるものを提供しなくては交換は成立しません。そういった意味では等価交換というのが基本となるサービスです。

参加ユーザーがそれぞれ価値のあものを出品することによって交換が成立します
参加ユーザーがそれぞれ価値のあものを出品することによって交換が成立します

オークションと物々交換サービスの違い、そして利点

自分の所有物を公開するという点ではオークションも同じですが、一番の違いは対価をお金で受け取るか商品で受け取るかということではなく、自分の所有物を他のユーザーにあげることによって、自分にとってそれと同様、もしくはそれ以上の価値あるものを手に入れられるという点です。

勿論、参加者が少なければ、自分の希望する商品が見つからないという場合もありますので、必ずしも自分が欲しいものが手に入るとは限りませんが、多くの物々交換サービスではCDや書籍などジャンルを限定しているものが多く、比較的、欲しい物が見つかりやすいシステムにはなっています。

さらに物々交換サービスの利点は、不要なものと欲しいものを交換できるということだけでなく、特にCDや書籍などでは同じ趣味のユーザーと交流が図れたり、そこからまた新たな好みを発見できたりというコミュニティー要素をも含んでいるという点です。

では今後、今まではオークションを利用していたユーザーが物々交換サービスへと移っていくのでしょうか?私は急激な変化はまだないと考えます。それは何故か?次ページで見ていきます。

<次ページでは物々交換サービスの問題点、そして今後と、日本での代表的な物々交換サービスをご紹介します。>
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