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テレビとネットの融合は既に活性化している

楽天とTBSの提携交渉が難航しているようです。楽天が謳うテレビとネットの融合は本当に必要なのでしょうか?私は既にテレビとネットの融合は一般ユーザーの主導によって活性化していると考えています。

水上 浩一

執筆者:水上 浩一

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フジテレビ、ライブドア問題は最終的に堀江元社長の逮捕によって、提携はほぼ解消という形になっています。そして、TBSと楽天の提携も暗礁に乗り上げたまま、解決の糸口はまだ見つかっていないという状況です。以前より言われていたテレビとネットの融合ですが、例えばドラマで主人公が使っている時計をそのままPCや携帯電話サイトで販売したり、テレビをそのままネットで放送したりということでした。

テレビ番組のネットでの放送は著作権や地方テレビ局の問題など山積みで簡単にはいかなそうですが、ワンセグの登場によって、テレビと通販サイトの結びつきは今後、加速していきそうです。そうなると、1つのテレビ局と提携をするよりも、全ての局と協力関係を築いていった方が得策なのでしょうか?また、そもそも、テレビとネットの融合というのは、テレビ局主導でなければいけないのでしょうか?私は一般ユーザーが主導してこそ、テレビとネットの融合がなされると考えます。

YouTubeに自ら番組をUPする日本のテレビ局が登場

以前、「PCの特性を活かした動画配信とは?」でも触れたYouTubeですが、その後もその人気は衰えることなく、gooリサーチが7月3日から19日にかけて行った「第4回ブロードバンドコンテンツ利用実態調査」によると、動画共有サイトを利用したことのあるユーザーは30.7%で、そのうちの59.3%がYouTubeを利用していると答えています。そして、これは本家アメリカでも同様で、米アレクサ・インターネット社によると、YouTubeのトラフィック量は世界の全サイト中、第16位という結果が出ているそうです。(8月28日時点)

現在、世界中で人気のYouTubeですが、ユーザーから投稿される動画は基本的に会員登録さえすれば、検閲されることなくUPできるため、日本、海外問わず、著作権を無視した動画が多数、UPされていて問題になっていますが、東京のUHF局・東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)では先月25日より情報番組「BlogTV」をYouTubeを始めとする3つのアメリカの動画共有サイトに公開を始めています。

Web1.0的サービスは既に多くのユーザーの支持は得られない

「BlogTV」は今後、国内の動画配信サービスへの番組提供や、携帯電話、ポッドキャストへの配信も検討しているということですが、同社の他の番組の配信の予定はありません。それは、同社の本間雅之編成局長が「タレントのネット配信への理解は進んできているが、楽曲の利用が難しい」と語っているように、やはり著作権、著作隣接権に関する問題が大きいようです。ただ、これに関しては今月11日に日本レコード協会実演家著作隣接権センターが、テレビやラジオ番組のインターネット配信を促進するため、10月8日からレコード製作者や実演者の権利を一任管理すると発表しましたので、今後はテレビ局主導によるテレビ番組のネット配信が増える可能性もあります。

しかし、テレビ番組のネット配信は、それぞれのテレビ局のサイトなどで現在でも有料、無料で配信されているものもありますが、どれもYouTubeなどに配信されているものほどの人気を得ているものはありません。勿論、これには様々な事情があるのでしょうが、これは送り手側が一方的にコンテンツを配信し、ユーザーはただそれを受け取るだけというWeb1.0的サービスは既にユーザーの支持を得ることがとても難しくなっていることの顕著な例だと言えるのではないでしょうか?

テレビ番組をネット配信するのがテレビとネットの融合なのでしょうか?
テレビ番組をネット配信するのがテレビとネットの融合なのでしょうか?

先ほども述べましたが、YouTubeなどの動画共有サービスには確かに、明らかに著作権侵害といえる動画も多数、見受けられます。しかし、いい悪いは別にして、それが今、現在、多くのユーザーが求めているものだからこそ、YouTubeが大変な人気を集めている訳です。つまりよく言われているテレビとネットの融合の1つ、テレビ番組のネット配信は、実は既に、一般ユーザーの間では普通に行われていることなのです。

<次ページではCMとネットショッピングの関係について言及していきます。>
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