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▼深層レポート:オリジナリティへのヒント 発想を研ぎ澄ます

自分の「器」以上の顧客も以下の顧客もお得意様にはならない。さらに今の顧客に飽きられないためには、ともに成長しなければならない。それには発想を鍛えたい。プロジェクトXの技術者のように

執筆者:藤田 幸江



◆ 自分の「器」と顧客の「器」

メルマガやWebコンテンツ等の制作といったネット上で表現活動をしてゆくことで重要なのが、どんな発想ができるかといった個人の能力。

以前にある方にインタビューしたときに、これら表現は日常での積み重ねであるため、必ず「素(す)」がでると聞かされ、「そのとおりだなぁ」と実感した。

本人の「器」以上の顧客も、以下の顧客もお得意様にはならないという。そして、人に支持してもらうには、素の自分を飾らずにだして、それを地道に重ねること。うん、うん。

でも、自分のポジションによって、顧客層が限られるのは仕方がないとしても、今の顧客だって成長してゆく。自分だけが停止していたら、飽きられてしまう。自分自身を現在のレベル以上に引き上げるための努力、工夫をしなければならない。

そこで、どうしたら発想する力をパワーアップさせ、さらに研ぎ澄ますことができるのかについて考えてみよう。


◆ 「プロジェクトX」技術者の発想方法に学ぶ

先週、NHKの「プロジェクトX」で、オムロンが世界で始めて開発した自動改札機についてのストーリーを放映していた。現在では、日本には2万台の自動改札機が駅に設置されているが、当時は無からの開発。

さまざまな困難を乗り越え製品化してゆく過程に心を打たれる。通勤ラッシュ時では、1分間に60~80人を改札に通さなければならない。

たまたま、その前の週に私は、オムロンが最近開始したサービス「グーパス」(定期券とケータイを連動させたメールメディア)を取材。オールアバウトのコラム(ケータイ+定期券で寄り道喚起)で採り上げていたため、非常に感動深く見ることができた。

自動改札機の開発ストーリーの中でおもしろかったのは、切符への対応。定期券よりもサイズの小さい切符を入れると、斜めになって通り抜けられずに、機械の中に絡みこんでしまう。この問題をどうやって技術者はクリアしていったのか。

担当の技術者は、ある休みの日、家族連れでハイキングに出かけた。山の渓流を眺めていると、一枚の葉が水流にのってスーと前に来て、岩にぶつかり角度を変えまた流れ去った。


そのとき、父親から技術者の目に変わった。
流れにサオさす。

ここからヒントを得、斜めに入り込んだ切符をまっすぐに進めることができる機能が生まれた。

なにげない日常のわずか2~3秒のワンシーンから、常識を超えたひらめきをつかむ。
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