ノートパソコン/ノートパソコン関連情報

立体を表現できる磁性顔料使用のパソコン

NECは2007年7月に磁性顔料使用のパソコンを計画している。筐体カラーに特殊な塗料を用いて、本来は平面の筐体を立体に見せる技術を採用する。

上倉 賢

執筆者:上倉 賢

ノートパソコンガイド

パソコンはパーソナルコンピュータの略。つまり個人向けコンピュータ。この名称が普及する前はマイコン。マイコンの場合はマイクロコンピュータ(Microcomputer)の略が正しいが、マイ・コンピュータ(My Computer)として表現した人もいたようだ。どちらにしても、コンピュータが個人の物となり、20年以上が経過したが、デザイン面が充実したのはつい最近事だ。
特にここ数年をみると、デザイン性の高いパソコンが各社から発表されるようになったが、カラーバリエーションが豊富なくらいで、面白味にかけているのが正直なところ。

あまりにも突飛なデザインでは使いにくいだけで、カラーバリエーションくらいしかやりようがないのかもしれないが、単なるカラーバリエーションではなく、特殊な技術を用いた製品もいくつか登場している。
代表的なのが、ASUSの革張りや、HPのPavilionシリーズなどで採用されているHP Imprint、NECの傷を自己修復する塗料の採用だろう。
この中でも、NECは新技術の採用に積極的で2007年の7月には、Direct専用ながら、磁性体顔料を用いた製品を予定している。

NEC 磁性体顔料 LaVie HP Imprint 雫
自己修復塗料使用の NEC LaVie HP Imprint使用の HP Pavilion

NECが採用する磁性体顔料

パソコンの筐体はマグネシウムなどの金属や各種プラスチックが用いられており、プラスチックの場合、塗装されない場合もあるが、何らかの塗装をすることが多い。
この塗料に単なるバリエーションしての色だけではなく、特殊な機能を持った塗装を積極的に採用しているのがNECだ。

2007年1月に発表された物は、自動車などに採用された自己修復塗料を採用し、多少の擦り傷なら塗料が自己修復するが、今回は磁性体塗料を採用する。
これは、塗料自体に磁性があり、塗装時に磁気をかけることで、その部分のみ模様が浮き上がる。磁気の強弱などをくふうすることで、模様が立体的に見えるため、今までは表現できなかった奥行きのあるデザインにすることも可能という。
塗装するだけなので、どのような形状にも対応可能で、初めはプラスチック筐体に使われるが、マグネシウムにも応用できる見込みという。

通常の塗装は一度塗りが多いが、今回の磁性体顔料は、下地のプライマー、磁性体顔料、クリアーと3層になる。
磁性体顔料自体、通常の塗料より高価であり、さらに、工程が増えるため、この塗装を採用した製品の価格は若干高めになる事が予想されるが、プレミアム感も十分で、デザイン次第では人気になりそうだ。

日本の技術を積極的に採用するNEC

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます