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バッテリのリコールまとめ(2ページ目)

DELLに続き、アップルコンピュータも公表したバッテリの自主回収・交換。経済産業省も調査を始めるなど世界的に大ニュースとなっていますが、この問題をまとめました。

上倉 賢

執筆者:上倉 賢

ノートパソコンガイド

発火する前に前兆などはありますか?

充電中などはバッテリパック自体がある程度発熱しますが、バッテリパックがさわれないほど発熱している、膨らんだなどいつもと違う異常が認められた場合は何らかの兆候と思われます。
メーカーのサポートに連絡してください。

実際に発火するとどうなりますか

The Inquirer に、今回の件が関係していると思われる記事と写真が掲載されています。
Dell laptop explodes at Japanese conference

また、PowerBookについてはflickrに掲載されています。
Apple Powerbook Meltdown flickr

その他
Laptop Bursts Into Flames TheKansasCityChannel.com

日本では何台が該当しますか?

詳細は公表されていませんが、DELLは米国内で270万台、アップルコンピュータは米国内で110万台とのことなので、米国外で210万台程度のようです。

日本政府の対応状況を教えてください

2006年8月24日に経済産業省からノートPC搭載リチウムイオン電池の不具合への対処についてということで文書が公表されています。以下、経済産業省の公表内容より

経済産業省は、デル(株)ノートPC に搭載されたソニー(株)製リチウムイオン電池から異常発熱が起き、その一部は出火に至るという不具合が発生したことを踏まえ、本日付で、消費生活用製品安全法第83条の規定に基づき、ソニー(株)及びデル(株)に対し、事故原因の究明、再発防止策等に関し、報告徴収を行うこととしました。あわせて、業界団体を通じ、この2社以外のパソコンメーカー、電池メーカーの状況についても調査及び報告を要請することとしました。さらに、リチウムイオン電池の安全性確保のための方策を検討するために、電池・蓄電技術の専門家による検討委員会を設置することとしました。

2006年8月29日に第2報としてアップルコンピュータに関する文書も出ています。
ノートPC搭載リチウムイオン電池の不具合への対処について(第2報)

経済産業省は、8月24日付けで、ソニー(株)及びデル(株)に対し、消費生活用製品安全法第83条に基づく報告徴収を行ったところですが、アップルコンピュータ(株)製ノートPC に搭載されたソニー(株)製リチウムイオン電池についても、異常発熱が起き、その一部は出火に至るという不具合が発生したことを踏まえ、本日付で、消費生活用製品安全法第83条の規定に基づき、アップルコンピュータ(株)に対し、事故原因の究明、再発防止策等に関し、報告徴収を行うこととしました。

どのパソコンにソニー製バッテリが搭載されていますか?

8月25日現在、リコールを公表しているのはDELLとアップルコンピュータしかありませんが、他社もSONY製バッテリを搭載しています。
現在各社調査中で、他社からもリコールが公表される可能性もあるので、文末のリンクなどで最新情報を確認してください。

バッテリの製造元を知ることは出来ますか?

Windowsの場合、コントロールパネルの
カテゴリ表示の場合、「パフォーマンスとメンテナンス」で「電源オプション」を選ぶ
クラシック表示の場合、「電源オプション」を選ぶ
「電源オプションのプロパティ」が開いたら「電源メーター」タブを選び「バッテリアイコン」をクリックする。
製造元にSANYO、SONYなどと表示されるのがセルのメーカー。SONYの場合はメーカー発表情報に注意。

SONY CELL Windows ThinkPad Lenovo
ThinkPadでバッテリの製造元を見た例。SONY製だった。

現在販売されているソニー製バッテリは問題ありませんか?

ソニーでは「生産工程に対する品質改善のための各種施策を実施済み」と発表しています。

持込制限のある航空会社

航空機内で、バッテリが発火した場合大惨事に繋がるおそれがあります。航空会社によっては持込制限をしているところもあるのでご注意ください。

8月30日 大韓航空 機内でのノートパソコンご利用に関する制限のご案内
9月 Virgin Atlantic LAPTOP BATTERY RESTRICTIONS Latest News

この件では全体でどのくらいのお金がかかりますか?

バッテリパックは容量により価格が異なりますが、メーカーが購入する価格で安くても数千円、配送料などは1000円前後と思われます。交換する個数はDELLの410万個、アップルコンピュータの180万個だけで合計590万個。バッテリ交換に1個5,000円のコストがかかった場合、295億円となります。
バッテリの価格や送料は物や地域によって異なりますが、全数交換となった場合最低でも300億円程度のコストがかかると思われます。

交換にかかる費用を負担するのはどこですか?

交換にかかるコストは少なくとも300億円前後と推定されますが、DELLとアップルコンピュータの発表によれば、この件に関する業績への影響は少ないと試算しているようです。
一方、ソニーが負担する金額は8月25日時点で200~300億円と公表されているので、かなりの割合をソニーが負担すると思われます。

今回の件に関する各社のプレスリリース一覧

SONY アップルコンピュータ社による同社製ノートブック型コンピュータの 電池パック回収に対する弊社の対応について
SONY 人事・機構改革 8月31日付で製品安全・品質担当が専任になった。
DELL ノートブックPC用バッテリの自主回収について
DELL Dell Announces Battery Recall
DELL Battery Recall Update バッテリの確認方法を説明する動画(英語)

レノボ ノートブック PC のバッテリー・パックの安全性に関して
富士通 富士通製ノートパソコンのバッテリーの安全性について
NEC 弊社製ノートパソコンをご使用のお客様へ
日立 日立 ノートパソコン バッテリーパックに関するお知らせ
東芝 「他社ノートパソコンのバッテリパック自主回収告知に関して」
SHARP シャープ製ノートパソコンのバッテリーの安全性について
SOTEC 弊社製ノートパソコンのバッテリパックに関するお知らせ
エプソンダイレクト エプソン製ノートパソコンのバッテリパックの安全性について
HP ノートPC用バッテリパック回収に関する一部報道について

2006年9月以降SONYが全品回収の方針を発表しました。
それ以降の情報はバッテリのリコールその後でまとめています。

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