松下電器は4月21日、パソコン用 Blu-ray ドライブ LF-MB121JD を発表した。
今回発表されたのはデスクトップパソコンに内蔵されるハーフハイトサイズで、6月10日発売、店頭予想価格10万円前後。
このドライブを使用した外付けドライブ BRD-UM2 が同日アイオー・データ・機器より発表された。USB 2.0 で接続が出来るため、ノートパソコンの外付けドライブとして使用することも可能だ。
東芝の Qosmio などには HD DVD ビデオが再生可能な HD DVD ドライブが搭載されているが、記録は不可能。今回発表された Blu-ray ドライブではデータの記録も含めて HD DVD 以外の光学メディアの記録再生が可能となっている。今回、Blu-ray メディアも発表され追記型の BD-R は1層 25GB で1,800円程度、2層 50GB は 4,300円程度。
現在、大容量のデータを保存するには、HDDがコストバランスが優れている。250GBのHDDは10,000円程度で購入できるため、容量と価格のバランスは現状では HDD が上回っているが、Blu-ray メディアの価格は必ず下がるので、容量あたりのコストがHDDを追い抜く日も近いだろう。
Blu-rayディスク Panasonic
ノートパソコン内蔵型は?
こうなると気になるのがノートパソコン用のスリムドライブだが、LF-MB121JD の発表会では、ノートパソコン用のスリムドライブも参考出品されていた。
今回発表された LF-MB121JD は2倍速対応だが、スリムドライブは1倍速となる。また、一般的にノートパソコンの光学ドライブは、12.7mm厚と9.5mm厚の2種類あり、B5ノートやA4ノートでも薄型の場合 9.5mm 厚のドライブが使われるが、今回のは12.7mm厚なのでハイエンドのA4ノートなどに採用されることになるのだろう。
このドライブが、どのメーカーに採用されるかはまだわからないが、パソコンメーカーが望めばいつでも搭載できるような状況にあるそうだ。
東芝はミニノートからテレビ機能搭載のAVノートまで自社でラインナップにあるため真っ先に対応製品を出せるが、松下電器の場合、ノートパソコンは軽量の Let'snote しか無いので、12.7mm厚ドライブは搭載したくても搭載できない状況にある。ちなみに、現行の Let'snote に搭載されている光学ドライブは、一般的に使われている製品ではなく、Let'snote用に小型軽量化されている特別品で、同等品を Blu-ray で実現するのはかなり時間がかかるかもしれない。
スロットイン型
トレー型
ノートパソコン搭載例
ハーフハイト用ピックアップ
2レンズ、3レーザー
Blu-ray と HD DVD
HD DVD 陣営も記録可能な HD DVD ドライブを年内には投入してくると思われるが、単純に容量だけ考えると 2層でも30GBの HD DVD は 2層で 50GB の Blu-ray に比べると少ない。
1層の DVD-R は 100円以下で購入出来るが、2層の DVD+R は500円を超えており2層のメディアは割高だ。この価格差から考えると、将来ユーザが使用するのはほとんどが1層のメディアだけという可能性もある。HD DVDがアピールする2層の HD DVD と1層の Blu-ray というのも将来の価格がわからない現状では何とも言えない。
ノートパソコンにこれら次世代DVDが本格的に搭載されるのは、両陣営とも当初は A4ノートなどハイエンドの大型ノートパソコンに限られる。B5ノートなどに搭載するためには9.5mmのドライブを開発しなければならないが、まだ時間がかかるようだ。
B5ノートなどに HD DVD や Blu-rayドライブが搭載されたとしても、HD品質のソフトを再生するにはスペック的にも能力不足。9.5mm厚のドライブが出るころには、パソコンの性能も一段と上がっているだろうから、HD品質のソフトもある程度問題なく再生できるようになるだろう。
HD DVD搭載機は既に登場しているものの、本格的に普及するのは記録型が登場してから。ハイエンド機種以外の各種ノートパソコンに搭載される時期には、HDDレコーダーなどさまざまな製品に Blu-ray や HD DVD が搭載されていることになるだろう。ノートパソコンでは真っ先に最新技術を使うのは難しいが、その分、これら新規格に関しては、優位な方を判断してから選ぶことが出来るので、ノートパソコン愛好家にはよい面でもある。
今後どのような対応機が登場するのか楽しみだ。
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