老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金生活者支援給付金の2つの収入基準について知りたい方からの質問です。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
Q:年金生活者支援給付金の「82万6500円」と「92万6500円」は何が違うのですか?
「年金生活者支援給付金について調べていたところ、年金収入などの基準として『82万6500円以下』と『92万6500円以下』という2つの金額が出てきました。どちらが年金生活者支援給付金をもらえる基準なのでしょう? 2つの金額の違いを教えてください」(さくらさん)

A:「82万6500円以下」は通常の老齢年金生活者支援給付金、「92万6500円以下」は補足的な給付金を含めた収入・所得の上限です
年金生活者支援給付金は、公的年金などの収入や所得が一定基準以下の人を対象に、年金に上乗せして支給される給付金です。
老齢年金生活者支援給付金には、前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計額によって、通常の「老齢年金生活者支援給付金」と「補足的老齢年金生活者支援給付金」の2つの区分があります。
2026年10月からの基準では、昭和31年4月2日以後生まれの人の場合、次のように分かれています。
- 82万6500円以下:老齢年金生活者支援給付金の対象
- 82万6500円を超え92万6500円以下:補足的老齢年金生活者支援給付金の対象
- 92万6500円を超える:収入・所得の要件を満たさないため、対象外
なお、昭和31年4月1日以前生まれの人については、通常の給付金の基準が82万4100円以下、補足的な給付金の上限が92万4100円以下となります。
通常の老齢年金生活者支援給付金は、2026年度は月額5620円を基準に、国民年金保険料の納付済期間や免除期間などに応じて金額が計算されます。
一方、補足的老齢年金生活者支援給付金は、保険料納付済期間などに加えて、前年の年金収入やその他の所得に応じて金額が決まり、収入・所得が多くなるほど給付額が少なくなる仕組みです。
補足的老齢年金生活者支援給付金が設けられているのは、収入が少し増えただけで給付金が受け取れなくなり、収入と給付金を合わせた金額が逆転してしまうことを防ぐためです。
例えば、年金収入などが82万6500円以下の人には通常の老齢年金生活者支援給付金が支給されるのに、基準額をわずかに超えただけで給付金が全く支給されなくなると、もともとの収入が多い人のほうが、給付金を含めた合計額では少なくなってしまう場合があります。
こうした逆転を防ぐため、82万6500円を超えても92万6500円以下であれば、収入・所得に応じて給付額を段階的に減らす「補足的老齢年金生活者支援給付金」が設けられているのです。
ただし、これらの給付金を受け取るためには、収入・所得の要件だけでなく、「65歳以上で老齢基礎年金を受給していること」「同一世帯の全員が市町村民税非課税であること」などの要件も全て満たす必要があります。
さくらさんも、年金収入だけでなく、その他の所得や世帯の住民税非課税の状況などを確認してみましょう。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






