最近では、普通預金でも定期預金並みに高い金利を設定する銀行があります。「少しでも金利の高いところに」と考える人もいる一方、60代後半から70代になると、新しい銀行に口座を開いて資金を移す手続きを面倒に感じる人も少なくありません。69歳のC子さんも、その一人でした。今回は、使い慣れたゆうちょ銀行の中で、より有利な預け先を見つけたC子さんの体験談をご紹介します。

「普通貯金より増やしたい。でも、必要なときには使いたい」
C子さんは、ゆうちょ銀行の通常貯金に、すぐに使う予定のないお金をいくらか置いていました。「しばらく使わないなら、普通貯金より少し金利の高いところに置いておきたい」。そう考えてネット銀行なども調べましたが、新しく口座を開設し、本人確認をして、お金を移して……と考えると面倒に感じました。
そんなときに見つけたのが、ゆうちょ銀行の「定額貯金」です。「ゆうちょなら、もう口座を持っている。新しい銀行を探さなくてもいい」。C子さんは、詳しく調べてみることにしました。
「6カ月たてば自由に払い戻せる」という使い勝手
定額貯金は、一般的な定期貯金と少し仕組みが違います。預入日から6カ月が経過すると、その後は自由に払い戻しができるのが特徴です。預入後3年までは6カ月ごとの段階金利が適用され、10年間は半年複利で利子が計算されます。
【2026年9月14日現在の金利】
・6カ月以上1年未満:年0.425%
・1年以上1年6カ月未満:年0.450%
・1年6カ月以上2年未満:年0.475%
・2年以上2年6カ月未満:年0.550%
・2年6カ月以上3年未満:年0.600%
・3年以上:年0.710%
なお、ゆうちょ銀行は2026年11月9日に通常貯金の金利を年0.5%へ引き上げる予定です。定額貯金などの定期性貯金についても金利の引き上げが予定されているため、預け入れる際は最新の金利を確認しましょう。
「6カ月は使わない。でもその先は、必要になったら引き出せる」。この使い勝手が、C子さんには魅力的に感じられました。定期貯金は1年、3年、5年など期間を決めて預けるものですが、途中で払い戻す場合は満期時とは異なる中途解約利率が適用されます。「5年間使わないと決めるのは難しいけど、半年なら大丈夫」。C子さんは、定額貯金を「しばらくは使わないお金」の置き場所として考えるようになりました。
定額貯金を払い戻すときの注意点は?
使い勝手がよい定額貯金ですが、注意点もあります。預入日から6カ月以内に払い戻す場合は、通常とは異なる「据置期間内払戻利率」が適用されるため、「すぐ使うかもしれないお金」向けの商品ではありません。
もう1つ知っておきたいのが、払い戻しは「口数単位」で行うという仕組みです。定額貯金は、1000円・5000円・1万円・5万円・10万円・50万円・100万円・300万円の8種類の金額から選んで預け入れますが、この1口分の金額を、途中で分割して一部だけ払い戻すことはできません。
例えば、100万円を1口で預け入れた場合、必要になったのが10万円だけだったとしても、「その口数の一部だけ」を引き出すことはできず、払い戻すなら100万円まるごとになってしまいます。
そこでC子さんが考えたのが、預け入れる段階で口数を小さく分けておく方法です。100万円を預けるにしても、最初から10万円単位や50万円単位で複数の口数に分けて預け入れておけば、必要な金額に応じて「10万円分だけ」「50万円分だけ」払い戻し、残りはそのまま預けておくことができます。
なお、預入から10年を経過すると、それ以降は通常貯金の金利を目安とした利率が適用される点も、あわせて覚えておきたいところです。
参照:定額貯金-ゆうちょ銀行
「いつ使うか」で通常貯金・定額貯金・定期貯金に分ける
C子さんが最終的にたどり着いたのは、お金を3つに分ける考え方でした。
・すぐに使うお金は通常貯金
・半年程度は使わないが将来使う可能性があるお金は定額貯金
・使う時期がある程度決まっていて満期まで置いておけるお金は定期貯金
「今までは普通貯金と定期貯金しか考えていなかったけど、その間に置いておく方法もあるんですね」。
もちろん、ネット銀行に新しく口座を作れば、より高い金利の商品を選べる場合もあります。ただ、金利だけを理由に、使い慣れた口座から資金を全て移す必要はありません。「新しい口座を作るのは面倒。でも、少しでも有利なところに置いておきたい」という人には、すでに使っているゆうちょ銀行の定額貯金も選択肢の1つになるでしょう。
「新しい銀行を探すのもいいけれど、今使っている銀行にも、知らない商品があるんですね」。C子さんは、これからは金利の高さだけでなく、お金の使いやすさと預ける期間も合わせて考えていこうと思ったそうです。







