人間関係

「これ、すごいよ!」中2息子が夢中の“衝撃動画”。「ドパガキ」化するわが子が心配でたまらない

ショート動画やSNSに夢中になり、常に「もっと面白いもの」を求める子どもたち。そんな若者をやゆする「ドパガキ」というネットスラングも最近よく目にする。スマホ依存に陥り、ネット上の刺激ばかりを求めるわが子に、母親たちは何を思うのか。※画像:PIXTA

亀山 早苗

亀山 早苗

人間関係 ガイド

どうして男女は愛し合い、憎み合うのか。日々、取材を重ねつつ男女関係について記事や本に書きつづっている。近年は家族・友人・職場などの人間関係全般や、お金が絡む人間関係のトラブルについても執筆。『くまモン力-人を惹きつける愛と魅力の秘密』など著書多数。

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ショート動画ばかり見ている子どもが心配……(画像:PIXTA)
ショート動画ばかり見ている子どもが心配……(画像:PIXTA)

「ドパガキ」というネットスラングを時々見かけるようになった。これは刺激の強いショート動画、SNS、ゲームなどに慣れ、常に刺激を求めて集中力が続かない若者をやゆする言葉だという。「ドーパミン中毒のガキ(若者)」を意味する。

ヨーロッパを中心に16歳以下のSNS利用を規制する動きがあり、これは世界的な問題になりつつあるのかもしれない。

気付くとショート動画ばかり観ている息子

「確かに中学生の息子も、動画ばかり観ている。最初は『映画を観ている』という話だったんだけど、様子をうかがうと最近はショート動画ばかり。友達同士でこれが面白いと薦め合うから、自分でも面白いのを見つけないと『出遅れた』と思うようです」

ミドリさん(45歳)は少し不安そうにそう言った。夫婦で話し合い、1日当たりのスマホ利用時間を決めてはみたものの、夕食後、息子が自室に引きあげてしまえば、勉強しているのかスマホを見ているのかは分からない。

「中学2年生ですから、どこまで干渉したらいいのか……。ダメだと禁止すると、さらに隠れて観るようになるでしょうしね」

ただ、ショート動画にはまるようになってから、息子は確かに落ち着きがなくなったという。思い過ごしかもしれないけどと前置きをした上で、ミドリさんはこう言う。

「時々リビングで、私たち夫婦と息子、小学校5年生の娘で家族一緒にテレビを観ることがあるんです。娘はじっくり観ていますが、息子はなんだか落ち着きがない。CMが入るとスマホをいじっては『お、すごい。これは“いいね”だな』とちょっと興奮気味につぶやいたりもしている」

何が面白いのか分からない

本当に「いいね」と思っているのか、「いいね」をつけることで気持ちが高揚しているのかが分からないそうだ。

「そもそもショート動画でどうして興奮しているのかが分からないんですよね。息子に、面白いのがあったら教えてと言ったことがあるけど、『これ、すごいよ』と言われた動画が、いわゆる衝撃の瞬間みたいな海外の映像を集めたものでした。時々テレビでもそういう映像特集をやってますよね。私は面白いとは思えなかったので、『こういうのが好きなの?』と聞いたら、ちょっとハッとしたような顔をして『しょせん暇つぶしだし』って。たぶん、これが好きだと言ったらバカにされると思ったんでしょう」

そういった思春期ならではの繊細な心理も働いているから、より面白いものを友達に紹介しなければという気持ちにもなるのだろう。

来年になれば高校受験も見えてくる。「本人より私の方が気持ちが落ち着きません」とミドリさんは苦笑する。

朝からショート動画を見続ける娘

カナさん(46歳)の娘は、今年高校生になったばかり。中学3年生の頃からスマホを持っているが、高校生になったとたんショート動画やSNSにはまるようになった。やはり友達の影響が強いようだ。

「朝からSNSを見ては、『わお』なんてテンションが上がってる。朝から観てるの? と言ったら、『観るよ。テンション上がるじゃん。今日1日頑張れる』って。頑張れるのはいいけど、結局は受け身なわけですよね。小学生の頃、娘はすごく留学したがっていたんです。だから高校生になったとき、『高校在学中に留学にチャレンジする?』と聞いたら、『うーん、海外怖いよね』という返事。自分は何も冒険せず、刺激の強い動画ばかり観て、冒険心を満たそうとしているのかもしれない。そもそもうちの子たち、全然、無謀なことはしようとしませんからね」

中学に入ったばかりの下の娘も、テニス部に入りたいと言っていたのに、いざ入学したら「テニス部はつらいみたいだからやめた」と言った。やってみないと分からないよ、つらくても楽しいかもしれないと勧めたのだが、「だってやめたらみんなになんて言われるか分からない」と答えた。

周りを気にして挑戦しない娘たち

「長女も次女も、とにかく周りを気にしますね。誰かに何か言われたらどうしよう、だったらやらない方がましだということになって、何かにチャレンジしたり自分から進んでやることを断念したり。その一方で刺激的なものを求めている。自分が挑戦するのが一番刺激的なのに」

カナさんにとっては歯がゆくてたまらないのだが、同い年の夫は「けしかけてチャレンジしても意味がない。本人が本当にやりたいことに巡り合えれば変わるんじゃないか」とのんびり構えている。

「私は、子どもたちにもその年齢なりの人生観が必要だと思うんですよ。じっくり読書もできない、何もチャレンジできない。今のあの子たちが、このままでいいとは思えなくて」

自分が読んだ本を薦めるなど、あえて読書の楽しさを伝えているが、反応は芳しくない。近々、高校の担任にも相談しようと思っているところだとカナさんは言った。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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