Q. 「歯周病が悪化する人には共通点がある」って本当ですか?

Q. 「友人が歯周病になり、アゴの骨まで溶けてしまったそうです。歯周病は歯ぐきの病気だと思っていましたが、実際にそこまでひどくなってしまうことはあるのでしょうか? 友人はずぼらなタイプではなく、歯磨きなどもきちんとしている方だと思うので、自分も他人事ではないかもと不安になりました。歯周病の重症化しやすさは体質のようなもので、避けようがないのでしょうか?」
A. 体質というより、重症化しやすいいくつかの行動パターンがあります
そもそも「歯」は、骨に固定されていながら歯ぐきを貫通し、口の中に露出しているという、体の中でも珍しい部位です。「歯周病」は、プラークが歯石になって蓄積し、骨に接している歯を道しるべにするように細菌が骨に近づいていく病気です。それにより、炎症が広がっていきます。
通常は、炎症が進むと歯が自然に抜け落ちることで、症状が落ち着きます。しかしまれに歯が抜けず、骨の溶けるスピードよりも早く炎症が進んでしまうことがあります。この場合、自然に歯が抜ける前に歯周病に気付き、歯科で抜歯などの処置を受けても、アゴの骨の炎症が治まらないことがあります。すでに歯がないのに、骨から膿が出続ける「顎骨骨髄炎」という難治性の状態です。こうなると完治までに数カ月以上の時間がかかるケースもあります。歯を失うだけでは終わらず、アゴの骨そのものにまで影響が及ぶリスクがある点が、歯周病の恐ろしいところです。
歯周病の悪化しやすい人の共通点は、体質というよりも、いくつかの背景が挙げられると考えられます。
1つ目は、本人の強い希望で抜歯を先送りにしてしまったケースです。特に、抜歯すべき歯がブリッジの土台になっている場合など、抜歯することで入れ歯に移行する必要があるといった事情があると、抜歯に踏み切れないことも珍しくありません。
2つ目は、上下の歯のかみ合わせが強く、かむたびに歯が強く押され、激しく動いてしまっているようなケースです。歯磨きだけでは改善しないため、放置すると歯周病悪化のリスクが増してしまいます。
3つ目は、歯がすでにグラグラしてしまっているにもかかわらず、定期的なメンテナンスを受けていないケースです。逆にメンテナンスを継続していたケースでは、アゴの骨までダメージを負うことはあまり多くありません。
4つ目は、歯磨きが不十分だったケースです。歯周病によって歯ぐきが一度腫れてしまうと、歯磨きのたびに痛みを感じ、十分に磨けなくなることがあります。汚れが付着しやすくなり、さらに歯周病が悪化していく悪循環に陥りやすくなります。
歯周病の悪化を避けるためには、以下のようなちょっとした工夫が有効です。
- 歯石を定期的に除去し、メンテナンスを継続する
- 普段から丁寧な歯磨きを心掛ける
- 歯がグラグラするなどの異変に気付いたら早めに歯科を受診する
- 歯ぐきが腫れているときは洗口剤なども活用する
歯周病は、「抜歯すれば解決」「歯が抜けたら終わり」というものではありません。日頃のケアはもちろん、まめに歯磨きなどを頑張っている人も、定期的な歯科検診・メンテナンスを受けることが大切です。もし歯のぐらつきや腫れなど気になる症状に気付いたときは、早めに歯科医に相談してください。
さらに詳しく知りたい方は、「骨髄炎リスクも…歯周病を悪化させてしまう人の共通点」をあわせてご覧ください。







