散歩

ハンドル回す? 石で叩いて金運アップ? 秋の街歩きで見つけたい個性派「お地蔵さん」5選

涼しい秋はお散歩に最適な季節。東京の街角にたたずむ「みまもり地蔵」や「たこ八郎地蔵」、ユニークな参拝スタイルの地蔵など、歴史やご利益に富んだ個性派のお地蔵さんを散歩ライターが紹介。秋の街歩きが楽しくなる案内です。

増田 剛己

増田 剛己

散歩 ガイド

散歩に関するコラムを執筆してきたガイドが都市遊歩の新しいスタイルを提案します。

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散歩ライターが選ぶお地蔵さん5選

あなたのお散歩コースにお地蔵さんはいらっしゃいませんか? 涼しい風が吹き、歩きやすくなる秋。散歩に出掛けるモチベーションは人それぞれですね。例えば、グルメだったり、史跡巡りだったり、植物を鑑賞することだったりさまざまです。

筆者の場合、その1つがお地蔵さんでした。お地蔵さんを探しながら町を散歩してみると意外に見つかるものです。特に東京の町には戦災や震災を生き延びたお地蔵さまたちがたたずんでいらっしゃいます。

そこで今回は、街歩きの途中でぜひ立ち寄っていただきたい、ユニークな由来やご利益を持つ東京のお地蔵さんをご紹介します。

目次

みまもり地蔵|お地蔵さんにハマったきっかけ

散歩の途中でお地蔵さんを見かけると必ずデジカメで写真を撮っていた筆者。新宿区から台東区へ引っ越すとお地蔵さんに遭遇する機会が増えてきました。『散歩の達人』(交通新聞社)でお地蔵さんのマップを作成してから、さらにハマり、記事を書くためにお地蔵さんのいらっしゃる住所や名前を調べていきました。

日比谷線入谷駅近くにあるビルの1階にいらっしゃったお地蔵さんは名前が分かりませんでしたが、なんとか所有者を探し出し、お地蔵さんについての話を聞きました。所有者のお父さまが戦後すぐに土地を買ったとき、空襲の被害で土地は瓦礫だらけだったそうです。その瓦礫の中から出てきたのが、胴体が真っ二つに割れたお地蔵さんだったそうです。なので、名前はないのだとのこと。

でもせっかくなので、マップを作る際に、お名前をつけてもらえないかとお願いしたところ、「みまもり地蔵」という名前をつけてくださいました。

日比谷線入谷駅からほど近い場所にあるビルの1階に「みまもり地蔵」はいらっしゃいます(住所:東京都台東区北上野2丁目28-2 プリムラハセビル1F)
日比谷線入谷駅からほど近い場所にあるビルの1階に「みまもり地蔵」はいらっしゃいます(住所:東京都台東区北上野2丁目28-2 プリムラハセビル1F)

この記事を書いてからは、散歩の途中にお地蔵さんを見かけると、いらっしゃる住所とお名前を確認し、メモするということをしてきました。

たこ八郎地蔵|実在した人がお地蔵さまに

こうしてお地蔵さんのデータを集めるうちに分かってきたのは、なにげないお地蔵さまもその成り立ちにはいろいろな理由があるとのこと。

実在した人物のお地蔵さんでユニークなのは「たこ八郎地蔵」です。たこ八郎とは、もともとは全日本フライ級のチャンピオンだったボクサーでした。ボクシング引退後はコメディアンになり、成功した人です。70年代後半から80年代前半はテレビのバラエティーやドラマなどでよく見かけていました。「たこでーす」というギャグも有名でした。そんな彼が1985年、海水浴で突然亡くなります。このニュースは衝撃でした。

そんな彼を祀ったお地蔵さんが「たこ八郎地蔵」、通称「たこ地蔵」。いらっしゃる場所は入谷駅近くにある法昌寺の境内です。

下谷の法昌寺境内にある「たこ八郎地蔵」(住所:東京都台東区下谷2-10-6)
下谷の法昌寺境内にある「たこ八郎地蔵」(住所:東京都台東区下谷2-10-6)

彼のお墓は宮城県仙台市にあるのですが、東京でもお参りできるようにと師匠の由利徹、親交の深かった漫画家の赤塚不二夫、映画監督の山本晋也らが発起人となって建てられました。お地蔵さんの後ろには石でつくられたグローブもあります。お地蔵さんをよく見ると、「めいわくかけて ありがとう たこ八郎」という自筆のメッセージも刻まれています。

めやみ地蔵|目の病気に苦しむ人にご利益

お地蔵さんにはそれぞれのご利益があったりします。例えば、目の病気に苦しんでいる人にご利益があるのが「めやみ地蔵」です。北千住の長円寺にお地蔵さんがいらっしゃいました。

目の病気にご利益があるとされる「めやみ地蔵」(住所:東京都足立区千住4-27-5) 
目の病気にご利益があるとされる「めやみ地蔵」(住所:東京都足立区千住4-27-5)

ユニークなのは木製のハンドルをまわしてお参りをするというもの。ちょっとエンタメ感がありますね。

「めやみ地蔵」の前に木製のハンドルがあります。これを3回まわしてお参りをします
「めやみ地蔵」の前に木製のハンドルがあります。これを3回まわしてお参りをします

カンカン地蔵|金運アップのお地蔵さんは意外なお姿

そして、ご利益といえば金運ですね。金運をあげてくれるお地蔵さんは浅草寺境内にある商売繁盛や財福を願う銭塚地蔵堂にいらっしゃいます。そのお名前は「カンカン地蔵」です。お参りする人が石を持って叩けば願いが叶うお地蔵さんです。石で叩くときのカンカンという音がそのままお地蔵さんの名前の由来になっているんですね。

浅草寺境内の銭塚地蔵堂「カンカン地蔵」(住所:東京都台東区浅草2-3-1)
浅草寺境内の銭塚地蔵堂「カンカン地蔵」(住所:東京都台東区浅草2-3-1)

そのお姿は、もとの形が分からないほど削られています。まさに身を削って、人々の願いを叶えてくださるのですね。銭塚地蔵堂の窓口などで塩などの御供えを用意して奉納してもいいでしょう。

瀬田の延命地蔵|通院前に手を合わせたお地蔵さん

冒頭で筆者がお地蔵さんにハマっていった段階をお話ししましたが、最近さらにハマる出来事がありました。特発性大腿骨頭壊死症という難病にかかり、病院に通うことになったのです。いつも用賀駅から病院まで杖をついて歩いていたのですが、その途中にあった「瀬田の延命地蔵尊」に手を合わせていました。

道が2つに分かれるところ、鉄製の門のあるほこらに「瀬田の延命地蔵尊」がいらっしゃいます(住所:世田谷区玉川台2丁目3-15)
道が2つに分かれるところ、鉄製の門のあるほこらに「瀬田の延命地蔵尊」がいらっしゃいます(住所:世田谷区玉川台2丁目3-15)

病気がよくなりますようにと祈っていたのですが、難病ということもあってよくはならず、両方の股関節を人工関節にする手術をすることになったのです。入院する日も手術がうまくいきますようにとお参りをしました。

1777年、用賀村の女念仏講中(おんなねんぶつこうじゅう)によって建てられたという「瀬田の延命地蔵尊」。柔和なお顔立ちがなんとも癒やされます
1777年、用賀村の女念仏講中(おんなねんぶつこうじゅう)によって建てられたという「瀬田の延命地蔵尊」。柔和なお顔立ちがなんとも癒やされます

幸い手術はうまくいき、今では杖なしでも歩けるようになりました。お地蔵さんはこころを落ち着かせてくれるものなんだなと実感しました。

たぶんお地蔵さんと向き合う理由は人それぞれだと思います。

ぜひあなたのお気に入りのお地蔵さんを見つけてみてください。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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