Q. 「ワキガは体質だから治らない」って本当ですか?

Q. 「ワキガにとても悩んでいます。市販のデオドラントを使っていますが、あまり改善されません。『ワキガは遺伝的な体質だから治療しても意味がない』と聞きました。本当に改善できないのでしょうか? 周りの人から不快に思われていないか、いつも不安です」
A. ワキガは遺伝的なものですが、適切な治療で改善できます
ワキガは、医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」というものです。遺伝による体質が原因の1つですが、「体質だから治せない」というのは誤解です。症状の程度や希望に応じて複数の治療法があり、悩みを解決できる可能性は十分あります。
まずワキガの原因について整理しましょう。汗の分泌腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。エクリン腺は全身に分布し、体温調整を担う腺で特別な臭いは発しません。一方、思春期以降に発達するアポクリン腺は特有の臭いを発生させます。このアポクリン腺が多く分泌される体質は優性遺伝とされており、ワキガの原因とされています。なお、耳垢が湿っているのも耳の中のアポクリン腺の影響によるもので、ワキガの補助的な診断の1つとして知られています。ただし、あくまで補助診断であり、これだけで断定はできません。
治療の選択肢は大きく分けて「自己対応」と「病院での治療」があります。自己対応としては、腋毛の処理(剃毛・レーザー脱毛)や市販の制汗剤の使用が有効です。制汗剤は汗の分泌を抑えて殺菌作用で臭いの原因となる細菌を減少させるもので、正しく使えば一定の効果が期待できます。
市販のケアで改善が見られない場合は、病院での治療が選択肢となります。主な方法は以下の通りです。
- A型ボツリヌス毒素注射:わきの下に注射して汗の分泌をほぼ完全に抑える。効果は数カ月続くが、健康保険は適用外で全額自己負担。臭いではなく、汗の量が異常に多い腋窩多汗症の診断がつけば保険適応です。
- 脂肪吸引・超音波吸引:アポクリン腺を除去する手術。傷跡が目立ちにくいが、保険適用外で費用が高く、アポクリン腺を確実に除去しきれない場合もある。
- 剪除法(せんじょほう):わきの下を約4cm切開し、直接アポクリン腺を切除する方法。臭いを抑える効果が最も確実で、健康保険が適用される(費用は保険適用で約20万円)。ただし傷跡が残り、術後は安静・入院が必要な場合もある。
また、注意が必要なのは、ワキガではないのに自分が臭うと思い込んでしまうケースも少なくないという点です。自分では自分の臭いを客観的に判断しにくいため、心配な場合は医療機関で専門家に評価してもらうことが大切です。
「体質だから仕方ない」と諦めず、まずは自己ケアを正しく実践し、それでも改善しない場合は医師に相談してみましょう。ワキガは適切な治療によって、十分改善が見込める疾患です。
さらに詳しく知りたい方は、「ワキガの症状・ワキガ治療・対策」をあわせてご覧ください。







