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トランポリンのように弾む!? マラソン世界記録を生んだ「adidas」最新シューズのこれまでにない新構造(3ページ目)

【弁理士が解説】2026年4月26日に行われたロンドンマラソンで、セバスチャン・サウェ選手が“2時間切り”の快挙を達成。サウェ選手が履いていた「Adizero Adios Pro Evo3」は、“トランポリン構造”というadidasの特許出願中の技術によって、驚異的な軽さと推進力を実現しました。※画像:筆者作成

藤枝 秀幸

藤枝 秀幸

弁理士 ガイド

弁理士

弁理士・行政書士。IT会社等でのプログラマ・SEとしてのシステム開発等を経て、2009年に当事務所(現:藤枝知財法務事務所)を開業。現在はIT分野やエンタメ分野のクライアント様を中心に契約書業務や知的財産業務を日々行わせて頂いております。

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Evo3に採用されているトランポリン構造とは

従来の厚底シューズは、シューズの中(ソール)に硬いカーボンプレートが入っていることが一般的でした。このカーボンプレートを活かしたバネのような動きによって推進力が生まれるのですが、「Adizero Adios Pro Evo3」は、カーボンをソールの外枠だけに配置して、内側は空けて下のクッションフォーム(非常に柔らかいLIGHTSTRIKE PRO EVOフォーム)を直接踏みしめるような構造になっています。

Evo3と従来品のソール構造の違い
Evo3と従来品のソール構造の違い ※画像:筆者作成

この構造によりカーボン部分を大幅に削れるため軽量化が実現。片足97gという驚異の軽さは、このようにカーボン部分を大幅に削ることで実現されています。

そして、足が柔らかいクッションフォームを直接踏みしめるため、足への衝撃が少なくなります。さらに、外側のカーボンが枠として反発を支えるため、クッションフォームの弾みが最大化されて従来よりも弾む推進力を得ることができます。

こうしたトランポリンのような弾みをシューズで実現するというのが「Adizero Adios Pro Evo3」の最大の特徴であり、adidasが特許出願中(特許出願番号:特願2024-188725)の技術によって実現されています。

特許文献においても、この技術の目的が、「高い緩衝性と、着用者への大きいエネルギーリターンの提供、そしてシューズの軽量化」を実現することであり、トランポリン構造にすることで、着用者が走行中に受ける衝撃を外枠のカーボンに蓄えて、推進力に変えることができる旨が記載されています。

また、疲労によりランニングフォームが崩れてもこのようなトランポリン構造による恩恵を受けられると書かれているので、疲れが出てくるレース終盤でも推進力が維持できる可能性があります。

「Adizero Adios Pro Evo3」には、adidasのほかの特許技術など(アッパーやソール、クッション素材などに関する特許技術等)も用いられていると推察でき、adidasの技術を総結集して作られたシューズだと考えられます。

adidasのほかにも、日本メーカーasicsも負けじといいシューズを開発して特許を多数取得しており、また、マラソン日本記録保持者である大迫傑選手が履いている中国メーカーのシューズ「リーニン」も技術開発を進め、多くの特許を取得しています。

今後も各社の技術開発が激化し、革新的なシューズが次々と生まれてくると考えられます。どこまでマラソンの記録が更新されていくのか、これからも目が離せません。

>次ページ:【画像】サウェ選手が履いていた「Adizero Adios Pro Evo3」

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