
シミと一言で言っても、医学的病名は「老人性色素斑」「肝斑」「雀卵斑」「炎症性色素沈着」など、さまざまです。種類は多いのですが、いずれも見た目以外に体に害はありません。ただ、まれに初期の皮膚がんをシミと思って放置してしまうことがあります。違いを知り、正しく見分けることが大切です。
シミと皮膚がんはどう違う? 皮膚に「盛り上がりがあるか」は大きな目安
まず、さまざまな「ただのシミ」に共通するのは、皮膚にメラニン色素が増大している点と、皮膚の表面が平らであるという特徴がある点です。もともと皮膚にでこぼこがある部位にシミが生じると、一見平らでないように見えることがありますが、この場合、でこぼこの範囲とシミの範囲は一致しません。しかし皮膚がんの場合は、がん細胞が増殖するにつれて水平方向だけでなく垂直方向にも拡大していきます。そのため、皮膚が盛り上がった状態になることが多いのが特徴です。
まずは「皮膚の盛り上がり」の有無が、「ただのシミ」と「危険なシミ」の大きな違いの1つだと覚えておくとよいでしょう。
シミと皮膚がんの経過の違い……大きさの変化と増大スピードは重要なサイン
シミは良性ですので、仮に大きくなっても、年単位で数%程度の変化にとどまります。
これに対して、時間の経過のなかで数十%程度の増大が認められた場合は悪性を強く疑います。年単位で2倍以上の増大があれば、ほぼ悪性と考えられます。昔の写真と現在の状態を比較することも、変化を確認するうえで参考になりますので、気になる変化がある場合は写真を撮っておくのもよいでしょう。
なお、ごくまれですが「表在拡大型黒色腫」と呼ばれるタイプの皮膚がんが存在します。このタイプは水平方向に発達し、時間が経過してから盛り上がってくるため、初期の段階ではシミとの鑑別が非常に難しいとされています。大きさの増加が見られる場合は、早めに皮膚科を受診することが必要です。

皮膚がんを疑うべきサインと受診の目安
シミとの鑑別において、以下のような特徴が見られる場合は皮膚がんを疑います。
- 形が不整形である
- 色がまだらである
- 増大傾向が強い
- 出血が見られる
これらは受診を検討すべき重要なサインです。
いずれにせよ、最終的な診断には組織診断が必要になります。少しでもがんを疑う所見がある場合は、速やかに皮膚科を受診し、組織診断によって良性か悪性かを判定してもらうことが大切です。
皮膚がんは、悪性黒色腫以外は比較的治癒しやすいがんです。気になる変化に気付いたときは、「様子を見ればいいだろう」と放置せず、早めに受診するのがよいでしょう。







