収入が限られてくる定年後は、預け先選びが重要になります。元銀行員の筆者が失敗しないためのポイントを整理します。
表面的なメリットのみで選んでしまうと失敗しやすい
定年退職後の預け先候補として多いのは銀行です。実際にさまざまな銀行などから、口座へ預けてほしいという案内が届くこともあるでしょう。その際、メリットを優先して預け先を選んでしまうケースが少なくありません。代表的な「表面的なメリット」としては、金利の高さがあります。金利が高ければリターンが多く得られるため魅力的に見えますが、果たして自分にとって本当にメリットがあるのでしょうか。
銀行は住宅ローンや家賃、水道光熱費、クレジットカード決済口座など、生活の引き落とし口座として使う場面も多いものです。金利が高い銀行が、必ずしも自分にとって便利であるとは限りません。
現役時代は通勤定期があるため、多少離れた場所にある銀行でも移動の時間やコストは気にならないかもしれません。しかし退職後は自宅周辺で過ごす時間が増えるため、銀行が遠いと移動コストがかさみ、結果として「高い金利分が帳消し」になってしまうこともあります。
ネット銀行も同様です。金利だけでなく、各種手数料や利便性なども含めて、総合的に判断することが失敗しないコツです。
失敗しないために心がけたいこと
大切なのは、収入が限られてくる退職後に預ける、という前提で考えることです。再雇用で働く人、完全にセカンドライフへ移行する人など、状況はさまざまです。シングルの場合、銀行からお金を引き出すのは基本的に自分だけです。一方、夫婦の場合は、夫婦の双方、もしくはいずれかが引き出すことも考えられます。だからこそ、誰が管理しても使いやすい預け先であるかは重要です。
また、既存の銀行口座に住宅ローンが残っている場合には、引き落としのつど、預け替えをしなければならず、手間やコストがかかってしまうこともあります。
金融機関から魅力的な提案があることもありますが、誰にとってもメリットがあり、便利な金融機関は存在しません。資産の内訳を確認し、自分の生活に合う金融機関はどこかを整理したうえで、メインの預け入れ先を決めると、失敗を回避しやすくなります。夫婦の場合は、必ず二人で使い勝手を話し合っておきましょう。








