皮膚・爪・髪の病気

「ほくろを取ると、がんになる」って本当? 母斑と悪性黒色腫の違い・セルフチェックのポイント

【形成外科医が解説】ほくろを取ってもがんにはなりませんが、ほくろに似た悪性黒色腫には注意が必要です。ほくろと悪性黒色腫の見分け方、セルフチェックのポイントを分かりやすく解説します。(※画像:Shutterstock.com)

井上 義治

井上 義治

皮膚・爪・髪の病気 ガイド

形成外科専門医

慶應義塾大学卒業後、形成外科、一般消化器外科、乳腺外科、頭頚部外科、整形外科の研修を経て、現在、横浜いずみ台病院勤務。総合診療に従事しております。 2013.8.25 読売新聞「からだの質問箱」で巻き爪について執筆しました。 215.3.10 公明新聞で「ロコモティブシンドローム」を執筆しました。

...続きを読む
ほくろ

「ほくろを取ると、がんになる?」 本当でしょうか?

「ほくろを取るとがんになる」という説を耳にしたことがあるかもしれませんが、これはただの噂にすぎません。

ほくろの医学的な正しい病名は「母斑(ぼはん)」です。現代医療で母斑を治療して除去したとしても、それが原因でがんになることはありません。

見た目を考えて、母斑を最小限の範囲で切除しようとした結果、母斑細胞が一部残ってしまい、再発することはあります。しかし再発した病変も、同じ母斑です。切除したことで、母斑ががんに変化することはありません。母斑であれ、正常な皮膚であれ、がんが発生する可能性自体は同じなのです。

母斑と似ている悪性黒色腫(メラノーマ)……見分けが難しい点が、誤解が広まった理由か

注意しなければならないのは、皮膚がんの一種である「悪性黒色腫(メラノーマ)」です。悪性黒色腫は、一般的な感覚で見ると初期には「小さなほくろ」として始まることが多く、母斑と見間違われることがあります。母斑だと考えて切除した後で、悪性黒色腫と診断されることもあります。

悪性黒色腫は非常に悪性度が高いがんです。術後に再発する可能性も高いため、「ほくろと思って取ったら、がんだった」というケースもあります。ここから「ほくろを取ったら、がんになった」という説が広まったものと考えられます。

早期発見・早期治療のためにも、母斑と悪性黒色腫を正確に区別することは非常に重要です。不安を感じた場合には、皮膚科を受診してください。

もともとあるほくろでも要注意! 危険な変化を見逃さないためのセルフチェック法

特に注意が必要なのは、「ほくろの中に悪性黒色腫が発生するケース」です。まれに、長年あったほくろの中に悪性黒色腫が発生することもあります。この場合、正しい診断が遅れる可能性が高くなります。

新しくほくろを見つけたときや、もともとあったほくろの変化に気付いたときは、自分でも注意して観察するようにしましょう。正確な診断は病院を受診する必要がありますが、簡易的なセルフチェックのポイントとして、以下を知っておくと役立ちます。
  • ほくろが急に大きくなった
  • 形が変化した
  • ほくろの辺縁がギザギザになってきた
  • ほくろの色調が変化した
  • ほくろから出血する
  • ほくろにかさぶたができる
  • ほくろの表面にでこぼこが生じた
これらの変化が見られた場合、ほくろの中に悪性黒色腫が発生している可能性があります。皮膚科を受診し、正しく診断を受けましょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます