聖徳太子の五千円札が28万円に大化け
聖徳太子の五千円札は、1957年10月1日~1986年1月3日まで発行されました。すでに発行が終了してから40年近くたっていることもあり、若い世代にはまったく知らないという人も多いのかもしれません。そんな聖徳太子の五千円札は、未使用であれば多少なりともプレミアムが付く紙幣です。とはいえ、未使用というだけでは額面の数十倍となることはありません。
しかし、2025年11月15日に開催された第37回銀座コインオークションでは、聖徳太子の五千円札が28万円(手数料込みで32万6200円)と高額で落札されました。一体どのような理由で高額落札となったのでしょうか。
ポイントは、階段かつ1ケタ
聖徳太子の五千円札は、表側から見ると肖像が真ん中にあり、透かしは右側にあるのが特徴です。そして、記番号(アルファベットと数字)は4カ所に記載されています。今回、なぜ額面の56倍もの落札金額になったかというと、そのポイントは「階段」かつ「1ケタ」であることです。
階段とは、番号部分が「123456」または「654321」となっているものが該当します。実際に落札された紙幣の記番号は「N123456W」で、番号部分が連番になっています。階段は珍番号の一種であり、古い紙幣ほど珍重される傾向があります。
もう1つのポイントである1ケタとは、記番号の最初のアルファベット部分が1文字であること。聖徳太子の五千円札は、記番号の最初のアルファベットが1ケタのものが前期、2ケタのものが後期と区別され、前期の方が発行枚数が少ないこともあり、プレミアムが付きやすいのです。
今回の落札された紙幣は、両方の条件を満たしており、その結果、高額落札となったと考えられます。
なにも聖徳太子の紙幣だけではない
今回は、聖徳太子の五千円札をもとに珍番号である階段について解説しました。実はこの階段は、どの紙幣にも見られるものなのです。聖徳太子の五千円札を今から探すのは到底難しいですが、新紙幣など身近にある紙幣であれば、今後十分発見できる可能性はあります。特に階段の場合、知らずに使ってしまう人もいるように思われます。「123456」や「654321」といった珍番号はしっかりチェックしていないと発見されず、そのまま流通することもありえます。新紙幣でも十分プレミアムがつくと考えられるため、発見したらぜひ保管しておきましょう。
<参考>
第37回銀座コインオークション Lot番号:465 聖徳太子5000円 1桁 N123456W 昭和32年~(1957~)紙26B | UNC
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