感染症

Q. 「加湿器はレジオネラ菌のリスクがあり危険」って本当ですか?

【医師が解説】加湿器を正しく使用しなかった場合、レジオネラ菌の感染リスクがあります。レジオネラ菌が繁殖しやすい環境や、感染した際に引き起こされる「レジオネラ肺炎」の症状、命に関わる危険性について、分かりやすく解説します。(※画像:Shutterstock.com)

清益 功浩

清益 功浩

家庭の医学 ガイド

医師

小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院小児科・アレルギー科で診療に従事。論文・学会報告多数。診察室外で多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。

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Q. 「加湿器はレジオネラ菌のリスクがあり危険」って本当ですか?

加湿器

乾燥する季節に欠かせない加湿器。健康面での危険性は?

Q. 「冬場の乾燥対策にいつも加湿器を使っています。最近、『加湿器はレジオネラ菌が繁殖しやすく、病気の原因になることがある』と聞いたのですが、本当でしょうか? 気を付けるべき点があれば教えてください」

A. 加湿器から発生する霧が感染源になる可能性があり、注意が必要です

結論から言うと、加湿器がレジオネラ菌の感染源になるリスクは現実にあります。レジオネラ菌は、河川や土壌など自然界に広く生息する細菌です。加湿器などの水を使用する機器で菌が増殖するケースがあり、その場合、加湿器から発生する「エアロゾル(細かい霧)」を吸い込むことで感染を引き起こしえます。

特に注意が必要なのは、以下のポイントです。

■レジオネラ肺炎による重症化リスク
レジオネラ菌に感染すると「レジオネラ肺炎」を起こすことがあります。主な症状は、高熱や頭痛、全身の倦怠感などです。進行が早く、適切な治療が行われないと死に至るケースもあります。非常に恐ろしい病気です。

レジオネラ菌が繁殖しやすい環境
レジオネラ菌は20~45℃の温度帯で繁殖しやすい性質があります。そのため、加湿器内の水が汚れていたり、長期間放置されていたりすると危険性が高まります。衛生的に保つことが大切です。

■レジオネラ菌に特に注意すべき人
高齢者や新生児、持病がある方など、免疫力が低下している人は重症化しやすいため、より厳重な管理が求められます。

レジオネラ菌を増やさないためには、加湿器の水を毎日入れ替え、タンク内や配管を清潔に保つことが不可欠です。また、レジオネラ菌は60℃以上で5分間加熱すれば死滅します。超音波式ではなく、加熱式の加湿器を使用することも対策法の1つです。

さらに詳しくレジオネラ菌の感染経路や詳しい症状について知りたい方は、「レジオネラ菌感染症の症状・対策法…温泉・加湿器から感染も」をあわせてご覧ください。
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