2025年冬の公務員のボーナス額は?(画像:PIXTA)
民間企業(事業所規模5人以上)の2025年の冬のボーナスは、1人当たり支給平均額は42万2989円(前年比+2.3%)、5年連続増加と予想されています。
製造業は前年比2.6%アップの57万2965円、非製造業は前年比2.4%アップの39万5388円となっています。企業業績の改善と人出不足の深刻化などの影響でボーナスの増加が続いています(※1)。では、公務員の状況はどうでしょうか?
公務員のボーナス事情!国家公務員:平均支給額77万9500円。前年比19.4%増!
国家公務員の2025年の冬ボーナスは、平均支給額77万9500円と前年比19.4%増と予想されています。夏のボーナスに続き70万円を上回っています(※1)。2025年の人事院勧告では、民間企業の給与に合わせて、ボーナス支給月数が年間0.05カ月引き上げられることになりました。また、ボーナスの基準となる基本給も12.3%ほど増加するためです。その理由の1つに、比較対象とする民間企業の規模が、50人以上から100人以上へと見直され、給与の基準が大きく増加しました。
(※1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2025年冬のボーナス見通し」(2025年11月7日発表)より
地方公務員も含め、公務員全体では昨年冬から6.7%増
地方公務員も合わせた公務員のボーナスを見ると、1人当たりのボーナス支給額は前年比6.7%増と予測されています(※2)。地方公務員のボーナスも、国家公務員の動向に準じています。というのも、多くの自治体では、給与やボーナス支給を国家公務員の基準をもとに決めるからです。人事院勧告によって国家公務員の給与が決められますが、地方公務員も人事院勧告の内容をもとに給与やボーナスが決まります。
(※2)みずほリサーチ&テクノロジーズ「2025年冬季ボーナス予測」(2025年11月11日発表)より
人事院勧告、ボーナス年額+0.05カ月の4.65カ月に増
令和7年の人事院勧告は2025年8月に発表されました。この人事院勧告は、国家公務員の給与やボーナスが民間の給与とかけ離れないように、2025年4月分の民間給与と直近1年間(2024年8月から2025年7月)に支給された民間のボーナス支給状況と比較します。その結果をもとに、俸給制度や諸手当制度の見直しを勧告し、給与法の改定をうながすものです。この勧告は、国家公務員の一般職が対象で、地方公務員の給与もこの勧告を参考に改定されることが多いものです。令和7年の人事院勧告は……
■月例給の引き上げ
平均1万5014円(3.62%)引き上げ
■初任給を大幅に引き上げ
【総合職(大卒)】24万2000円(+5.2%[+1万2000円])
【一般職(大卒)】23万2000円(+5.5%[+1万2000円])
【一般職(高卒)】20万300円(+6.5%[+1万2300円])
採用市場での競争力向上のため、令和6年に引き続き大幅に引き上げました。また、若年層に重点を置き、昨年を大幅に上回る引き上げとなります(月収で約5.1%)。
■ボーナスを引き上げ(年0.05カ月分増)
期末・勤勉手当の年間支給月数を年間0.05カ月増加、4.65カ月に改定
とのことでした。
この人事院勧告に基づき、政府は国家公務員一般職の給与を引き上げる方針です。
比較対象企業の見直し50人以上→100人以上
また、今年度から給与を比較する対象企業をより規模の大きい企業に変更しました。・比較対象企業規模を「50人以上」から「100人以上」に引き上げ
とし、霞が関の中央省庁などのキャリア官僚の本府省職員に対しては、
・本府省職員との対応関係を東京23区・本店の企業規模「500人以上」から「1000人以上」に引き上げ
としました。行政課題の複雑化・多様化や厳しい人材獲得競争を踏まえ、公務の職務・職責を重視し、より規模の大きな企業と比較することを目的としています。
公務員の2025年冬ボーナスは12月10日支給
公務員のボーナス支給日を見ておきましょう。国家公務員のボーナス(手当)支給日は法律で決められています。ボーナス(期末手当、勤勉手当)の支給は……
・対象:基準日(夏6月1日、冬12月1日)に在職する職員
(基準日前1カ月以内に退職や死亡した職員にも支給される)
・支給日:夏6月30日、冬12月10日
(支給日が土曜の場合は前日、日曜の場合は前々日の金曜)
と決められています。
2025年の12月10日は水曜なので、2025年の国家公務員の冬のボーナスは12月10日支給ということになります。地方公務員もこれにならって支給されます。
12月10日時点で給与法改正案が不成立。値上げ分は別途支給に
2025年のボーナス支給日は12月10日ですが、この支給日には、上記の人事院勧告に基づいた給与法の改正案が臨時国会で成立されていません。あくまでも、上記のボーナス支給額は、給与法改正後の金額となっています。12月10日に支給されるのは、改正前の金額となります。給与法改正後に、別途増額分は支給されることになります。
2025年の公務員の冬ボーナスは、比較対象の民間企業を大規模の基準に見直したため、給与水準が上がり、さらに民間企業の給与アップも反映して大幅に上昇となりました。大企業を中心とした民間企業は業績がよい会社が多いので、給与やボーナスは今後も増加が見込まれます。これに伴い、公務員のボーナスは増加の傾向となるでしょう。2026年の人事院勧告が楽しみです。







