‘03年10月に新空港がオープン、これまで9名乗りから39名乗りに機材が変わり、空の便がよくなった多良間島。さらなる島を求める沖縄フリークがにわかに注目する島です。宮古島からの日帰りで行ってみました。


 スパッとナイフを横に入れたような、平坦な多良間島は、いちばん高いところで標高わずか37m。そこは八重山遠見台という17世紀頃に築かれた船舶の往来の見張り台で、跡地に建てられた80段あまりの階段を上る展望台からは、まさに大パノラマ。多良間島の全貌が手に取るように見える上、晴れた日には西に八重山諸島の石垣島、北東に宮古島までも一望できます。実は、多良間島の行政は宮古島に属しますが、位置的には宮古島と石垣島のほぼ中央にあるのだということが、肉眼で実感できます。


 ほぼ楕円形の約20平方kmの島には、ぐるりと一周道路など道が整備されています。一周道路の脇に建てられた「タカタ」などの看板は“とぅぶり”という浜への降り口。看板は30あまりを数え、地元の人は貝拾いの場所や漁に出発する地点を“浜”とは呼ばず、“とぅぶり”と呼ぶのだそうです。

そのひとつ、トゥガリラ・トゥブリのある“ふる里海浜公園”は、トイレやシャワー、アスレチックなどの遊戯施設も備えた、美しいビーチ。正面に水平線と重なるような海面スレスレの水納島が浮かび、軽やかなエメラルド色の海がドーンと広がっています。潮の引いた後の白砂の浜はまるで傷ひとつない陶器のよう。輝くまでに真っ白で、雪の降った翌朝に第一歩をつける喜びに似て、無性に足跡を残したくなります。水際には、波で磨かれたタカラ貝や小さなシャコ貝、イカの甲羅などが落ちていています。海はどこまでも透明に近く、水晶を溶かしたみたいにクリアです。


長さは500mほどですが、西と東で雰囲気が変わるのが面白いところ。西側は真っ白な砂浜と、青い海の女性的なやさしい眺め。一方の東側は、沖にぽこぽこと小さな岩が水面から顔を覗かせた、どこか伊良部島の佐和田の浜に似た眺めになり、陸は琉球石灰岩のごつごつとした巨岩が折り重なったり、転がっていたりと野趣溢れる眺め。