定番のお菓子と旬のお菓子
ほおずき市や阿波踊りなど神楽坂に笛や太鼓が鳴り響き、好例の夏祭りに包まれた今週でしたが、私も最終日に出かけ、ほんの少しだけお祭り気分を味わいました。と言っても、私の場合はほとんど美味しいものを舌で味わっていたのですが。
上左/浮き雲 ¥189(税込)日持ち5日間 上右/鮎の天ぷら最中 ¥210(税込)日持ち1週間 下左/玉杏珠(タマアンズ)¥210(税込)下右/あんず餅 ¥210(税込) |
まずは、もう今や神楽坂名物として新聞・雑誌でも多く取り上げられ、昨今の神楽坂の人気浮上も相まって、遠方からその味目当てに訪れるお客様が跡を断たないという、創業1935年 梅花亭の定番銘菓「浮き雲」!誰しも空にぽっかり浮かぶ白い雲を食べたいな~と子供の頃、その可愛い空想の中でお菓子に見立てて遊んだ思い出があるのではないでしょうか。そんな思いがまさに現実となった夢のお菓子が、当代ご亭主によって12年前に生み出された「浮き雲」。
いわゆる焼きメレンゲ菓子で、よく泡立てた卵白とアーモンドの粉を小麦に混ぜて釜で焼き、北海道産の小豆を梅花亭さんで炊いた自家製の小倉餡がはさんであります。ふわっとして、サクッとする至福の食感は、ほんと~にあの雲を食べているみたいで、思わず笑顔になってしまいますっ。地方配送もしていただけるので、ぜひ皆さんも味わってみてください。お遣いものにも、贈った方の心にいつまでも残る味ですので、折詰めでどうぞ。
そして、90歳を過ぎた今も大変お元気な初代ご亭主が考案された定番銘菓が、「鮎の天ぷら最中」。長くお菓子を作ってゆく中で、この定番品となるものを一つでも生み出すことは相当に難しいことなのだそうです。ご亭主お二人の結晶のような素晴らしいお菓子だからこそ、多くの人が魅了されるのでしょうね。
お菓子はすべて国産の自然素材を用い、心を込めて一つ一つ手作りされています。無添加にこだわり保存料も使わず、季節を大切に生菓子は時期を限定して作られています。今、店頭をにぎわしている「玉杏珠」や「あんず餅」「アンズジャム」も契約農家のある長野県のあんずの里・更埴より届いた生の杏を梅花亭さんで丁寧に煮詰められ出来上がったもの。和菓子屋さんでは珍しいジャムも、もともとは自家用に食されていたもので、近所へお裾分けしていたところ、あまりの美味しさに商品化が望まれ定着したもの。無農薬の瀬戸内レモンとお砂糖だけで仕上げられた逸品。しかもビンはリターナルビン、お店へどうぞお持ち下さいとのこと。
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