自分にとってはさほど深い意味ではない言葉も、相手が同じように受け取るとは限りません。事実を述べているだけのつもりが、相手からは「モラハラだ!」と嫌われてしまうこともあります。相手を思いやっての発言すら、素直に受け止めるどころか皮肉だと解釈されてしまうことも。
注意一秒、けが一生。うっかり発言で離婚バロメーターが急上昇することのないよう、無用な誤解を招きやすいNGワードだけは覚えておきましょう。
【夫編】その一言が夫婦仲を壊す!
モラハラの極み。筆者がこんな言葉を夫から言われようものなら「だったら私が二人分働くから、夫が家のこと全部やってくれ」とブチ切れてしまいそうです(笑)。NG発言
「稼いでいるのは俺なんだから」
こんな暴言を平気で言えてしまう夫の本心は「俺のおかげで生活できている」という傲慢(ごうまん)さ。仕事に精を出せるのが(家のことをやってくれている)妻のおかげだと分かっていない夫は、いつ妻に見捨てられてもおかしくありません。
ハウスキーパーに家のことを頼んだらいくらかかるか知ってますか?OK変換ワード
「いつもありがとう。俺が安心して仕事に打ち込めるのは、〇〇が家事や育児を頑張ってくれているおかげだよ」
夫婦は持ちつ持たれつ。プライスレスな家事を妻がやってくれるのは、夫への愛情に他なりません。夫の稼ぎは全額妻に捧げるくらいでちょうどいいのです(笑)。
時代錯誤も甚だしい。妻を家政婦扱いしたり見下していると受け取られかねない地雷ワードです。NG発言
「(家事や育児は)女の仕事だろ」
昨今、多くの妻は専業主婦ではなく外に出て働いています。なのに家事や育児だけワンオペ状態の不公平感。家事育児を「手伝う」という夫も同様。女の仕事だと思っているから「手伝う」スタンスなのです。
なぜ家のことを妻にまかせてしまうのかといえば、おそらく夫の育ってきた家庭は(専業主婦の)母親が全ての家事を引き受けていたから。子どものころからの原風景(および親のしつけ)で「女の仕事」と植えつけられていたら、簡単には変換されません。
仕事で疲れて帰宅したら、家事が面倒になるのは男も女も同じ。むしろ女より男の方が体力は余っているはず。夫の方が率先して家事を片づけてほしいところです。
夫が積極的に家事育児に参加してくれれば、妻にも笑顔が戻ってくるはず。最初は下手で妻をイラつかせるかもしれませんが、素直に教えを乞えば、妻も夫の伸びしろに期待するでしょう。幸せな家庭は夫婦二人で作り上げるのです。OK変換ワード
「今日の晩飯は俺が作るよ。疲れているだろうから休んでて」
「俺が子どもを風呂に入れて寝かしつけるから、その間休憩してて」
【妻編】「言いたいこと」を伝える方法の落とし穴
NG発言
「なんで『いつも』そうなの?」
小言や不満を伝える際、ついつい使ってしまいがちなこのフレーズ。「いつも」という一言が入るだけで、過去何度も同じ失敗を繰り返してきた夫のポンコツぶりを強調してしまいます。ポンコツの太鼓判を押された夫はひどく傷つき、反省するどころか「どうせ俺はダメなやつだし」と背中を向けてしまうでしょう。愛情が妻に届かないと知れば、夫は次第に口をつぐみ、気がつけば会話のない状態に……。
OK変換ワード
「こんなときは、〇〇(具体的な行動)してくれると助かる」
「次回はこうしてほしいな。△△(今夫のした行動)だと、私が〇〇できなくて困っちゃうんだよね」
間違いを認識していない夫に対する「なんで」は、ただ責められているようにしか感じません。無自覚ならば、教えてあげればいいだけ。以前も教えたのに同じことを繰り返したとしても「いつも」と言うのは嫌みなだけです。
相手が愛犬であればそこまでイラっとすることはないはず。ならば愛犬(もしくは大きな息子)に指導するつもりで、何度でもしつこく教えてあげましょう(笑)。
NG発言
「〇〇さんの旦那さんは……」
夫と他人を比較する発言は、男のプライドをボロボロにする地雷ワード。単に友人の夫を褒めただけなのに「〇〇さんと比べて、あなたはダメね」と非難されたと思い込む夫もいます。
誰だって、パートナーが自分を他の同性と比較されることは好まないはず。逆のことをされたら、あなただってムカつきますよね。比べたつもりじゃなくても、婉曲に解釈してしまう「こじらせ系」を夫に選んだのは妻のあなた。夫の性格(個性)に鑑みて、地雷になりそうなワードを言わないよう配慮するのも愛情ですよ。
OK変換ワード
「あなたの〇〇なところ、さすがだよね」
「仕事で疲れているのに、〇〇(家事など)をしてくれてありがとう。本当に助かった」
夫が少しでも(妻にとって)うれしいことをしてくれたときは、具体的に褒めましょう。友人の夫と比べたらまだまだ足りなくても、あなたに対し何かをしてくれたのは他でもない、目の前の夫です。
円満な夫婦関係に必要なのは、いい意味での他人行儀さ。どんなことも、やってもらって当たり前ではありません。何度でも、優しくされたら感謝し褒めてみましょう。