生命保険

節税に効く!個人年金保険料控除とは?仕組みと適用要件を分かりやすく解説

老後に「公的年金に上乗せできる私的年金」を検討している40代以上の方にとって、個人年金保険は「節税しながら老後資金を準備できる選択肢」です。今回は、個人年金保険の加入前に知っておきたい節税の仕組みを、最新情報をもとに整理しました。※サムネイル画像:amanaimages

舟本 美子

舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金 ガイド

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老後に「公的年金に上乗せできる私的年金」を検討している40代以上の方にとって、個人年金保険は「節税しながら老後資金を準備できる選択肢」です。ただし、控除の要件は他の保険に比べてやや複雑。今回は、個人年金保険の加入前に知っておきたい節税の仕組みを、最新情報をもとに整理しました。
節税に効く!個人年金保険料控除とは?仕組みと対象条件とは?解説※画像:amanaimages

節税に効く!個人年金保険料控除とは?仕組みと適用要件を分かりやすく解説 ※画像:amanaimages

個人年金保険料控除とは

個人年金保険料控除は、生命保険料控除の1つで、払い込んだ個人年金保険料の一部を課税所得から差し引ける制度です。結果として、所得税や住民税の負担を軽減する効果があります。

生命保険料控除は「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類があり、年末調整や確定申告で申請することで利用できます。

なお、個人年金保険そのものは、契約時に決めた年齢から年金を受け取れる私的年金。若いうちに加入しておけば、将来の生活資金を準備しながら、現役時代の節税効果も得られるのがメリットです。

個人年金保険料控除の適用条件は?

個人年金保険が控除の対象となるには、以下4つの条件を全て満たし、かつ「個人年金保険料税制適格特約」が付加されている必要があります。

①年金受取人が契約者(保険料を払う人)またはその配偶者であること
②年金受取人が被保険者本人であること
③保険料の払込期間が10年以上であること
④確定年金の場合、受取開始は60歳以上、かつ受取期間が10年以上であること


個人年金保険料税制適格特約を付けていない場合や、変額個人年金保険の場合は「一般生命保険料控除」の扱いとなり、個人年金専用の控除は受けられませんので加入時にしっかり確認しておくことが大切です。

個人年金保険料控除の限度額は?

個人年金保険料控除には上限額があり、契約日によって「新制度」と「旧制度」に分かれます。

●新制度(2012年1月1日以降の契約)
・所得税:年間最大4万円
・住民税:年間最大2万8000円

●旧制度(2011年12月31日以前の契約)
・所得税:年間最大5万円
・住民税:年間最大3万5000円

控除された分だけ課税所得が減るため、その分税額が軽減されます。

新制度の場合、そのほかの生命保険料控除(一般生命保険料控除、介護医療保険料控除)を合わせて、所得税は12万円、住民税は7万円までとなります。

個人年金保険料控除を利用した場合の節税効果は?

個人年金保険料控除を使うと、実際にいくら税金が減るのか気になります。節税効果は、毎月の保険料や年収、所得控除の状況によって変わります。

ここでは、以下の前提をもとに見てみましょう。

【前提条件】
・年収:400万円(会社員)所得税率10%
・個人年金保険料:毎月1万円(年間12万円)
・契約:新制度の個人年金保険

【節税効果】
新制度の場合、控除できる上限は「所得税4万円、住民税2万8000円」です。

今回のケースでは年間12万円を払っているので、それぞれの上限まで控除を受けられます。

・所得税の軽減額:4万円×税率10%=4000円
・住民税の軽減額:2万8000円×税率10%=2800円

合計すると、年間で約6800円の節税効果になります。

なお、10月に個人年金保険に加入した場合、保険料の支払いを月払いにすると、10~12月の3カ月分だけ支払うことになり、12カ月分の控除を受けられません。

しかし、年払い(一括で12カ月分を10月に支払った場合)では、1年分の保険料控除が全て受けられます。年末調整や確定申告で控除される金額は、『その年に実際に支払った保険料の合計』が基準になります。例えば、新制度で年間8万円を超えて支払っていれば、所得税で上限4万円、住民税で上限2万8000円まで控除可能です。

まとめ

個人年金保険は、「今の節税」と「将来の年金準備」の両方に役立つ保険制度です。ただ個人年金保険料控除の適用には明確な条件があるため、これから個人年金保険に加入を検討する方は、契約内容と特約の有無を必ず確認しておきましょう。

参照:No.1140 生命保険料控除
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