人間関係

「あんたのママはろくでなち?」義母に吹き込まれた5歳息子の一言に激怒。その後の嫁の行動とは

下の娘が病気だったため、5歳の息子を義母に預けることが多かった39歳女性。義母は「気にしなくていい」と言ってくれていたが、ある日息子が義母に吹き込まれて言った一言に女性は衝撃を受ける。激怒した女性は義実家に乗り込むが……。※サムネイル画像:PIXTA

亀山 早苗

亀山 早苗

恋愛 ガイド

どうして男女は愛し合うのか、どうして憎み合うのか。出会わなくていい人と出会ってしまい、うまくいきたい人とうまくいかない……。独身同士の恋愛、結婚、婚外恋愛など、日々、取材を重ねつつ男女関係のことを記事や本に書きつづっている。

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5歳の息子が何気なく言った一言が衝撃的すぎた(画像出典:PIXTA)

5歳の息子が何気なく言った一言が衝撃的すぎた(画像出典:PIXTA)

子どもは周りの大人の言うことを、深く考えずに誰かに言ってしまうものだ。ただ、それによって「誰が子どもに何を吹き込んだのか」が分かり、言われた方が傷つく場合もある。

息子を甘やかす義母

「息子は5歳、下の娘は2歳になりました。娘は先天性の病気があって、1年で3回も手術を繰り返して……。親としては心配で心配でたまらない。私は娘を産んでから仕事を諦めました。それでも息子は、近くに住んでいる義母にどうしても預けなければならないことが多かったんです」

うっすら涙目になりながらそう言うアキコさん(39歳)。同い年の夫の給料だけで暮らしていくのは大変だが、アキコさんの実家は地方なので米や野菜などは大量に送られてくる。それを義実家にもお礼代わりにお裾分けしながら、うまくやっているつもりだった。

「義母は息子を甘やかすので、時々夫から注意してもらったりもしていました。私も息子と一緒にいられる時間は、愛情をたっぷり注いだつもりです。妹が病気だから、もうちょっとだけ我慢してね、明日はいっぱい一緒に遊ぼうねと言って」

夫も、娘にばかり親が愛情をかけていると息子がひがむと案じて、休みの日には息子と公園に行くなど気を配っていた。

「義母は『大変ねえ。息子ちゃんのことは気にしなくていいから』といつも言ってくれていたので、甘やかし過ぎないでくださいねと言いながらも、つい私が甘えて預けることが多かった」

ある日息子が言った言葉に愕然

ある日、息子がぽつりと言った。

「ねえ、ママはどうして働かないの? お金を稼げない女の人は、男の人に甘えてるの?」

意味が分かって言っているようには思えなかったが、どうして働かないのという一言にはショックを受けた。だが、アキコさんは冷静に対処しなければと深呼吸をした。

「どうしてそういうことを言うの? と聞いたら、『おばあちゃんがね、あんたのママはろくでなち? だって。外でも家でも働かないって』と息子が言ったんです。ろくでなしだと言ったんでしょう。外でも家でも働かないってどういうことなんですかね。入院が長引く娘のことなんて、義母はちっとも考えてない。もともと第二子が女の子だと分かった時点で『あら、そう。一人目が男の子でよかったわ』と言った人なんです。義父にも夫にも怒られて『だって私は男の子が好きなんだもの』と開き直った。それでも夫と義弟の二人を育てた義母だから、私はどこかで信頼していたのに……」

夫に言おうかとも思ったが、その前に義実家に乗り込んでしまった。

「冗談よ」としれっと言う義母

義母に会いに行って、いったいどういうつもりで幼い息子にああいうことを吹き込むのかと、アキコさんは直談判した。

「義母は私の剣幕に驚いたのか、『何をそんなにいきり立ってるの? 冗談よ、冗談。まあ、でも金銭をともなう仕事をしていないのは確かでしょう? 息子がいるから生活できているわけよね』と言ったんです。義母は定年まで勤めた人ですから、そう言われたら私は何も言い返せない。『そんなことでうしろめたく思うことはないわよ。社会に必要とされる人もいれば、そうでない人もいるわけだから』と言われてさらに傷つきました」

アキコさんがどういう経緯で仕事を辞めざるを得なかったのか知っているくせに、どうしてそんな非情なことが言えるのだろう。稼いでいれば偉いのか。私が仕事をしていたら、娘はどうなっていたのか。あなたが私の立場で、そう言われたらどう思いますか、そのくらいの想像力もないんですかとアキコさんはまくし立てたという。

「興奮しながら、義実家で昼寝をしていた息子を叩き起こして連れ帰りました。義母から夫に連絡がいったみたいで、夜、帰宅した夫は『ごめん』と謝ってくれた。でも私が何か言おうとしたら、『悪いけど、今日はめちゃくちゃ疲れてるんだ。明日も早くから会議なので、明日の夜、ゆっくり聞く』と寝室に消えました。その日は怒りと悔しさで一睡もできなかった」

それでも時間は待ってくれない。朝になれば朝食を作り、弁当を作って夫を送り出す。息子に食事をさせて、その日は息子を連れて娘の見舞いに行った。息子が飽きるため長居はせず、昼を食べさせたあとは近所の友人に息子を預けて再び病院へ。

「その日、主治医に会って、娘の回復に希望が見えたんです。悪いことがあればいいこともあるんだと実感しました。それでも義母のことは許せなかったけど」

少し落ち着いたアキコさんだが、息子を預けようとしなかったことから、義母が少しは反省してくれているかと思っていた。だが、義母は相変わらずだった。

激怒した夫

「その日、夫に義母のことを話したら、意外なことに夫が激怒したんですよ。ふだんは『まあ、うちの母親はああいう人だから、なんとかうまくやってよ』と逃げるのに、そのときばかりは許せないと。夜遅いのに実家に電話をかけて『僕の妻に言いがかりをつけるのはやめてくれよ、いつになったらお母さんは大人になるんだよ』と叫んで電話をたたき切りました」

それからは没交渉。息子の面倒をみながら娘の看病をするのは大変だが、地域ママ制度や近所の友人、あげくは友人の友人にまで頼み込んで息子を見てもらうこともあった。どうあっても義母には頼みたくなかった。

「それから1カ月後に娘が退院できて、ようやく家族が落ち着いたんです。娘の退院も義母には知らせていません。夫が父親には伝えたようですから、知っているんでしょうけど何も言ってこない」

夫は、もうこのままでいいと言っている。ただ、自分が夫と母親との仲を裂いたような気もして、ずっとこのままというわけにはいかないだろうとアキコさんは考えているそうだ。「いくらひどくても、あちらは実の親子だから」と彼女は苦笑した。
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