歯周病

Q. 「グラグラする歯を放置すると、命にかかわることがある」って本当ですか?

【歯科医が解説】グラグラしている歯を放置するのは危険です。炎症が進行することで、「顎骨骨髄炎」という深刻な状態に至ることがあります。分かりやすく解説します。

丸山 和弘

丸山 和弘

歯の健康 ガイド

歯科医師

地域密着型の現役歯科医師。小さな子どもの虫歯予防からお年寄りの入れ歯相談まで、数多くの症例と日々向き合い、1995年より臨床一筋。虫歯、親知らず、口内炎、歯周病などを防ぎ、歯の健康を守るための基礎知識や、歯の治療に関する情報をわかりやすく解説します。

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Q. 「グラグラする歯を放置すると、命にかかわることがある」って本当ですか?

歯をチェックする人

グラグラする歯を放置するリスクとは?


Q. 「2~3カ月前から、少しグラグラしている歯があります。特に痛みもなく、今のところは特に支障がないので、そのまま様子見をしています。歯医者に行ったら抜かれたりしないか怖いのですが、揺れているだけでも見てもらったほうがいいのでしょうか? 知人から『命にかかわることもあるらしい』と聞いて不安になりました」
 

A. 放置して悪化すると、命にかかわる「顎骨骨髄炎」になるリスクがあります

痛みがないと「歯が少しグラグラしているだけ」と軽く考えてしまうかもしれませんが、歯のグラグラは危険信号です。通常、歯は骨に固定されていますが、歯周病が悪化すると、歯を支える顎の骨が溶け、歯のグラつきが出てきます。

多くの場合は、放置していると歯は自然に抜け落ち、炎症も自然と治まります。しかし歯周病が進行し続け、炎症が骨にまで達してしまうと、「顎骨骨髄炎(がくこつこつずいえん)」という重篤な病気につながるおそれがあります。これは命にかかわるリスクもあるため、十分な注意が必要です。

「顎骨骨髄炎」は難治性の病気で、歯が抜けた後も骨から膿が出るなど、長期にわたる治療が必要になります。症状が深刻化する前に、歯科医の判断に従って適切な治療を受けることが、この重篤な合併症を防ぐ第一歩です。「抜歯をすすめられるかもしれない」と思っているうちに、歯を失うばかりでなく、命にかかわる合併症のリスクまで増えてしまうのです。まずは一度、歯科医を受診することをおすすめします。

さらに詳しく知りたい方は、「骨髄炎リスクも…歯周病を悪化させてしまう人の共通点」をあわせてご覧ください。
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