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沖縄の地元パン「なかよしパン」は驚きのハイカロリー! 沖縄県民が愛する“デカくて甘いパン”の正体

沖縄のぐしけんパンが製造する「なかよしパン」は、全長40cm、1300kcal超えの巨大菓子パンです。沖縄県民の「なかよく」分け合って食べる文化の象徴として愛され続けている、カエルの「しゅういちくん」がトレードマークの一品です。

タカバシ ショウヘイ

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ビール ガイド

2005年より生ビールブログを開始。定期的にビールイベントを主催する傍ら、2013年の沖縄移住後は地元密着型のランチブログを開始し10年以上運営中。沖縄での暮らしの中で見つけた食の楽しみと各地のグルメ情報を発信している。

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筆者は10年以上前に沖縄に移住しましたが、沖縄生活がまだ浅い頃、スーパーマーケットに行く度にいろいろな驚きがありました。中でも印象に残っているのは、売られているパン製品の大きさでした。

県外では見たことのないサイズのパンが並んでいる中でも、特に印象に残ったのがデベソのカエルが描かれた「なかよしパン」。そのユニークなキャラクターと圧倒的な存在感で、一度見たら忘れられないインパクトがありました。今回は沖縄の人たちに愛され続けている「なかよしパン」を紹介します。
ぐしけんパンの「なかよしピーナツ」と「なかよしパン ハーフ」

ぐしけんパンの「なかよしピーナツ」と「なかよしパン ハーフ」

なかよしパンを初めて見たときの衝撃!「え、業務用?」

手に取ってみて、最初は「え、これって業務用?」と思ったほど。普通のコンビニパンとは明らかに違うサイズ感に、正直戸惑いました。 「なかよしパン」は沖縄の老舗製パン会社「株式会社ぐしけん」(通称:ぐしけんパン)の商品で、ココア生地のやわらかいパンにバニラ風味のクリームがサンドされています。

姉妹品として、ピーナツクリームをサンドした「なかよしピーナツ」、ココアクリームをサンドした「なかよしココアクリーム」があり、それぞれにハーフサイズもあります。
なかよしパン ハーフ(約20cm)

「なかよしパン」はハーフサイズで約20cmの大きさ!

ちなみに、ぐしけんパンには「いちごジャムサンド」や「復刻ピーナツパン」という商品もありますが、カエルが描かれているのが「なかよしパン」です。
なかよしパンといちごジャムサンド

「いちごジャムサンド」とも似ている?

大きさで驚いて、カロリーでも驚いた

「なかよしパン」の特徴は、なんといってもそのサイズです。パッケージのサイズは40cm(ハーフサイズは約20cm)もありますから、売り場で手に取るときに気をつけないと商品が折れてしまう、というよりも袋の中でパンがちぎれてしまいます。

なぜなら、パンには7本の切れ目が入っていて、手で簡単にちぎって食べられるようになっているから。大きなパンを家族や友人と分け合って食べやすくしている「なかよしパン」ならではの工夫ですが、先述の通り、取り扱いには注意が必要です。
 
なかよしパンは手で簡単にちぎれるようになっている

手で簡単にちぎれるようになっている

そのサイズから想像ができるかもしれませんが、フルサイズの「なかよしパン」であれば、どの種類も1300kcalを超える高カロリーなパンとなっています。

例えば、40代の成人女性の1日の摂取カロリーは、一般的には1750~2350kcalとされています(活動量によって異なります)。「なかよしパン」を1人で食べると、1日の摂取カロリーの約55~74%にもなります。
なかよしパンの原材料表記

カロリー表示が1000kcalを超えていて驚いた

ちぎって8等分にしても、ひとつ150kcalオーバーとしっかりカロリーが摂取できます。

「なかよしパン」2種と「いちごジャムサンド」を食べ比べてみた

今回は「なかよしパン ハーフ」(税込216円)、「なかよしピーナツ」(税込400円)、「いちごジャムサンド」(税込173円)を購入し、3種類のパンを食べ比べてみました。
なかよしパンといちごジャムサンド

なかよしパンといちごジャムサンドを食べ比べ

「なかよしパン」(画像中央)は、ココア生地にバニラ風味のクリームがサンドされています。ベタッとはしておらず、意外と軽い甘さで香りもよくておいしいです。

対して、「なかよしピーナツ」(画像右側)は、ピーナツクリームがサンドされていることもあって濃厚な甘さがあり、やや重めです。今回、「なかよしピーナツ」をフルサイズで購入しましたが、こちらをハーフサイズにすれば良かったと少し後悔しました。

もうひとつ、似た形状の「いちごジャムサンド」(画像左側)は、なかよしパンよりもサイズが小さめ。いちごジャムがサンドされているので、甘さだけではなくて酸味も感じられて、他の2つよりは軽めの印象でした。

どれも共通しているのは、生地が非常に柔らかいので、老若男女、世代を問わずに食べやすそうということです。牛乳やコーヒーなどの飲み物との相性もいいですね。

「なかよしパン」の歴史と背景

「なかよしパン」の歴史を探ってみると、発売され始めたのは1960年頃だそう。当時の沖縄では3世代にわたる大家族の家庭が多く、家族みんなでちぎって「なかよく食べてほしい」という想いから誕生したとのこと。

当時の沖縄では、テビチやラフテー、ステーキなど脂っこいものや甘いものを好む食文化があり、そうした背景もあって、しっかりとした甘さの「なかよしパン」も県民に受け入れられたのでしょう。

発売当初は沖縄本島中部のスーパーマーケットでのみ販売されていましたが、「店頭でひときわ目立つ大きな菓子パン」「大好きな甘いものがたくさん食べられる」という口コミで少しずつ評判が広がり、沖縄全域で愛される定番商品になったのだとか。

カエルが描かれたトラックを見たらラッキー?

「なかよしパン」を語るのに欠かせないのが、パッケージに描かれているカエルのキャラクターです。

カエルのキャラクターは「無事に帰る」「福を迎える」という意味も込められ、ぐしけんパンの創業者・具志堅秀一さんの名前にちなんで「しゅういちくん」というそうです。
なかよしパンのキャラクター「しゅういちくん」

なかよしパンのキャラクター「しゅういちくん」

なお、「なかよしピーナツ」のパッケージに描かれているのは、しゅういちくんの奥さんの「しげちゃん」で、小さなカエルは息子の「けんちゃん」だとか。「しげちゃん」だけ服を着ているのが、やや気になります。
しゅういちくんの妻「しげちゃん」と息子「けんちゃん」

しゅういちくんの妻「しげちゃん」と息子「けんちゃん」

このカエルファミリーはぐしけんパンの配送トラックにもプリントされているので、県内を旅行中に見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

筆者も最近ずっとこのトラックを探しているのですが、タイミングが合わず見かけることができませんでした。旅行に来たときに見つけられたらラッキーかもしれません。

沖縄の食卓に似合う「なかよしパン」

「なかよしパン」は単なる菓子パンではなく、家族の団らんや友人同士のコミュニケーションを生み出すツールでもあります。大きなパンをみんなでちぎって食べるという体験は、沖縄の温かい人間関係を象徴しているのかもしれません。

他県の人から見ると「大きすぎる」「甘すぎる」と感じるかもしれませんが、それも含めて沖縄の文化。沖縄を訪れることがあったら、ぜひ一度「なかよしパン」を手に取って、ご家族や友人とシェアしてみてください。「なかよしパン」で沖縄的な楽しさや温かさを感じてもらえると思います。

<参考>
枕にできそうなビッグサイズのパン! 沖縄県うるま市の「なかよしパン」(at home VOX)
沖縄の定番「なかよしパン」 あのカエルに名前があるって知ってた?(沖縄タイムス)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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