耳・鼻・喉の病気

Q. 夫が寝ているとき、時々呼吸が止まっています。病院に行かせるべきですか?

【医師が解説】パートナーから、就寝中に呼吸が止まることがあると指摘されている人はいませんか? 自覚がないからと、そのままにしてはいけません。放置の危険性を分かりやすく解説します。

坂田 英明

坂田 英明

耳鼻科医 / 耳・鼻・喉の病気 ガイド

医学博士。日本耳鼻咽喉科学会専門医。東京大学医学部客員研究員、埼玉県立小児医療センター副部長、目白大学保健医療学部教授を経て、現在川越耳科学クリニック院長を務めています。医療を受け身でなく、自ら能動的に判断、行動して生活していただけるよう日々の健康に関する話題をご提供してまいります。

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Q. 夫が寝ているとき、時々呼吸が止まっています。病院に行かせるべきですか?

夫のいびき、放っておいて大丈夫?

夫のいびき、放っておいて大丈夫?


Q. 「夫はもともといびきがひどいのですが、眠っているときに何度も呼吸が止まるので、怖いです。本人は何も自覚がないようで、指摘しても病院に行くようなことではないと流されるのですが、このまま放っておいても大丈夫なのでしょうか? 無理にでも病院に行かせるべきですか?」
 

A. 放っておくのは危険です。命に関わる可能性もあります

ご主人のように、睡眠中に呼吸が止まる様子が見られる場合、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の疑いがあります。いびきもあるとのことですが、SASは単にいびきがひどい病気ではありません。睡眠中に何度も呼吸が止まることで、そのたびに脳が覚醒してしまう病気です。

放置すると、本人に自覚がなくても熟睡できていない状態が続くため、日中の強い眠気や集中力の低下、起床時の頭痛などのさまざまな症状につながっていきます。さらに怖いのは、高血圧や心臓病、脳卒中などの生活習慣病を引き起こすリスクも高まる点です。長期的に放置すると、命に関わることは、ぜひ知っておくべきことでしょう。

病院受診に前向きではないようですが、最初から大きな病院に行く必要はありません。まずは、耳鼻科や呼吸器内科での診察をおすすめします。診断によっては、睡眠中の呼吸を補助する「CPAP治療」などで症状の改善が期待できます。「たかがいびき」「たまに呼吸がおかしくても困っていない」などと油断せず、健康を守るために行動することが大切です。家族として気になっていることと、将来的なリスクを伝え、早期受診につなげましょう。

さらに詳しく知りたい方は、「「いびきで死ぬことがある」は本当か…うるさいいびきの止め方」をあわせてご覧ください。
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