人間関係

その時点で関係終了! 夫・義母が言い放った「家族にも絶対に言ってはいけない一言」

反抗期の子どもが母親によく叫ぶセリフ、それをたびたび言う大人がいる。44歳女性は夫に言われて「ブチッとキレ」、義母から言われた40歳女性は「人間関係としてはアウト」と言う。いつまでも幼稚な人々を理解するのは困難だ。※サムネイル画像:PIXTA

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「あなたに分かるわけがない」と言うのは甘えでしかない(画像出典:PIXTA)

「あなたに分かるわけがない」と言うのは甘えでしかない(画像出典:PIXTA)

思春期、反抗期の子どもが「私の(オレの)気持ちがお母さんに分かるはずがない!」と叫ぶシーンは容易に想像がつく。ひょっとしたら言ったことがある人もいるかもしれない。だがあの言葉、実は「もっと自分を見て」と言いたいだけかもしれない。あるいは自分から相手を拒否していると見せてかまってほしいのかもしれない。

そして大人になってからも、その言葉を吐く人たちがいる。大人になってから「分かるはずない」と言ってしまうことには多くのリスクがありそうだ。

愚痴ばかりの夫

「うちの夫がわりと言うんですよね、その言葉。帰宅後、疲れた疲れたと言うから、『あのさ、私もフルタイムで働いているわけよ。どっちが家事を多くやってる?』と詰め寄ったら、『きみとオレとじゃ、おそらく職場での立場の重さが違う』と言う。人の職場のことなんか分からないくせに何を言ってるんだと思いつつ、『立場の軽重は関係ない。仕事をしていれば誰だってストレスも感じるし悔しい思いだってするでしょう』と諭すように言ったんです。そうしたら『どうせきみにオレのつらさなんか分かるはずがないよ』って」

たびたびそういうことがあると、カエデさん(44歳)は苦笑した。家事と育児は8割方、自分が担ってきた。夫に任せていると時間がかかる、文句を言いながらやってもらうより自分がやってしまったほうが早いという判断からだ。

「夫はもともと愚痴が多いんですよ。付き合っているときからそうだった。当時は私も恋していましたから、彼の愚痴を聞いてあげるのは私の役目だなんて思っていたんですが、結婚後は、後ろ向きな愚痴ばかり聞きたくないわと思っていました。だから時々『愚痴っても何も始まらないよ』と意見を言ったりもしていたんですが……」

どうせきみには分からない、オレの気持ちが分かるはずがない。その言葉は聞き流してきたのだが、このところカエデさん自身、仕事が多忙になり、思春期の息子は無口になり、長女はいまだに甘えん坊で、体も心もいくつあっても足りない状況。そんなとき、大人としてバディを組みたい夫にまで、「オレの気持ちが」などと言われたら怒りたくなるのも当然だ。

夫の甘え

「つい先日も夫がグチグチ言いだして、オレの気持ちがと始まったので、とうとうブチッとキレちゃって。『分かってほしかったら、分かるようにきちんと言いなさい』『そもそも大人なんだから、自分の気持ちを他人に分かってもらおうとするな』などと激しく言ってしまいました」

夫はシュンとなってうつむいてしまった。初めて見る妻の剣幕に驚いたようだ。今や10代になった子どもたちより妻に甘えているのは明白だ。

「言い過ぎたかなとは思いましたが、実際、夫の気持ちを分かったフリはできても分かりようがないですよね。大人になってそういうことを言うのは甘えなんだよと決定的な言葉をぶつけてしまったので、夫は怖がっているみたいです」

今は様子を見ている状況だという。

そんなことを訴えられても……

「近所に住む義母がこのタイプですね」

淡々とそう言うミナミさん(40歳)。70代後半になる義母は、最近、「できないことが増えた」「もう年だわ。何の楽しみもない。私には未来がない」と切々と訴えるようになってきた。仕方のないことでしょと突き放したいところだが、さすがにそれは言えない。

「でもそんなことを訴えられても、私にはどうすることもできないんですよね。義母の人生は義母のものであって、私が代わりに生きているわけではないんだから。夫にそう言ったら『身も蓋もない言い方をするなよ』と言われましたが、私は誰もがそういう覚悟をもって生きていると思っていたから、この親子、何を甘えてるんだと思っちゃいました」

ミナミさんは首をすくめて笑った。もともと、「人は一人。自分の人生は自分で背負う」と覚悟している人と、「誰かがなんとかしてくれる」と思っている人とでは、生きる姿勢が違うのかもしれない。

「義母はとても健康だし元気だけど、やはり義父が亡くなって一人暮らしになってから少し老いましたね。もう誰も私を必要としてくれない、私には生きる価値がないとまで言うようになっている。でも私、それは違うと思うんですよね」

自分のために生きたほうがいい

人に必要とされるのはあくまでも自分が自分の人生を生きている前提でのことであり、人に必要とされるために生きているわけではないというのがミナミさんの主張。もっともである。自分の人生は自分で作り出すしかないのだから。

「人に必要とされたらうれしいのは分かる。でもそのために生きているわけではない。必要とされようがされまいが、自分は自分のために生きたほうがいいと思うんです」

義母に諄々と話してみた。だが義母は「あなたに私の気持ちは分からない」と突っぱねた。突っぱねたその言い方が、「私をもっと認めて、慰めて」と言っているようにしか感じられなかった。それが「なんだか情けなかった」とミナミさんは言う。

「今まできちんと生きてきて、夫に死なれて気弱になった。それならそうと夫がいなくて寂しい、気持ちが弱ってると素直に言えばいいんですよ。突っ張ったつもりで、あなたに私の気持ちは分からないと言い放ってしまうのは、やっぱり幼稚だと私は思います」

とはいえ、時々話し相手になっているミナミさん、「お義母さんの気持ちは私には感情としては分からないけど、理解はできると思いますよ」と話しているとか。

いずれにしても、あなたに私の気持ちが分からないと言った時点で、人間関係としてはアウトだと思いますと、ミナミさんはつぶやいた。
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