実際に選挙目当ての政策や公約はあるのでしょうか? それらは一体どんなものか、国民側にもある問題点とともに考えてみたいと思います。
<目次>
「選挙(集票)目的のバラまき」と批判を浴びる
参議院選挙を間近に控えた今、石破総理が国民1人当たり2万円を現金給付すると表明しました。円安や物価高など経済環境の悪化に苦しむ国民への支援と説明されていますが、わざわざ選挙前のこの時期に打ち出したことで、「選挙(集票)目的のバラまき」だと批判を浴びています。そう言われても仕方ありません。なぜなら年収の壁178万円への引き上げや消費税減税など、他党が提案した政策に対しては、財源がないことを理由に拒否したにもかかわらず、選挙が近づいた途端、政府自ら財源がある(税収の上振れ分)と言い出したからです。
選挙が近づくと何かくれる日本政府
こうしたケースは今回だけではありません。選挙が近づくと降って湧いたかのように、国民の歓心を買うためと思われる政策が打ち出されることがあります。政府としても、目的がバレバレなのは承知の上で、何かくれると言い出すのです。そんな餌に飛びつくと思われているとしたら、私たち国民も甘く見られたものですが、残念ながら飛びついているのが実情です。
今回は現金ですが、過去には商品券を配ったこともありました。もちろん選挙目当てのバラまきと言われましたが、「もらえないよりはもらえた方がいい」という人間の素朴な感情には勝てず、筆者含め大半の国民は受け取りました。
それをいわば“成功体験”として、政権与党はたびたび選挙前になると、餌として国民を喜ばせるような政策を打ち出すようになりました。
不発に終わった今回の2万円支給
ちなみに今回の2万円支給を発表した直後に行われた東京都議会議員選挙では、言い出しっぺの自民党は惨敗し、都議会第1党の座を失いました。裏金問題による逆風が少しは和らぐのでは?という声があったものの、少なくとも都民は、2万円くれたくらいでは自民党には入れませんでした。これはもちろん、「2万円じゃ少ない。もっとくれ」という意味ではなく、その手には乗らないという意思表示ともみられます。>次ページ:選挙目当てかそうでないかの見分け方