画質の決め手は「映像エンジン」にあり!

例えば、放送で受信した映像は、様々な処理を行った後に、パネルに表示されます。 カタログでは、この処理を「映像エンジン」と呼ぶのが一般的です。

 

スケーリング

あなたのPC画面ではどのように見えますか? (クリックして大きな画像

地上デジタル放送のハイビジョン映像は、1440x1080(横x縦)画素で送出されています。 この映像をフルHDパネル(1920x1080画素)に表示させるには、横方向の1440画素を水増しして、パネルの1920画素に割り当てなければなりません。

このように、画素型とよばれるデジタル方式のテレビで必要となる、画素数の変換を「スケーリング」と呼んでいます。

1440画素を1920画素に割り当てる場合、1.333・・・倍に水増しするのですが、小数点以下は誤差となって、画質に悪影響を与えるのです。

ストライプ模様(GIF画像)をパソコンに保存して、写真加工ソフトなどで縮小拡大(スケーリング)してみてください。 全体が波状に見えるなど、悪影響が体感できるはずです。

解像度感を保ちつつ、スケーリングの悪影響をいかに上手く誤魔化すかが、各メーカーの腕の見せ所と言えます。

 

液晶の「動画ボケ」

液晶テレビでは、テロップなどの早く動く部分が尾を引いたり、サッカーや野球など、ボールを追って画面全体がゆっくりと動くシーンなどで、映像全体がボヤケたように見える「動画ボケ」と呼ばれる現象が起こります。 ボケが大きいほど、動画解像度は低下する事になるので、パネルがフルHDでも、意味は無くなってしまいます。

液晶テレビが登場した頃は、液晶自体の反応速度が遅く、動画ボケの大きな原因となっていましたが、現在では充分な応答速度を実現しています。

よって、液晶テレビの解像度を考える際は、パネルの「応答速度」ではなく、駆動方法こそが焦点となります。

最新テレビで流行の「120Hz駆動」、「倍速駆動」や「Wスピード」などと呼ばれる機能は、映像エンジンにより、60コマ/秒の動画を120コマ/秒に作りかえ、映像の切り換え速度を上げることで動画ボケを低減する技術です。 パネルの「応答速度」ではなく、映像エンジンの「性能」が重要であることをご理解頂けるでしょう。

また、60コマ/秒の動画を、120コマ/秒に作りかえる際、実際には無い「コマ」を作り出す作業も伴うので、ここも、各メーカーの腕の見せ所と言えます。

 

映像エンジンは、他にも、コントラスト、色合い、色の濃さ、階調表現、輪郭のギザギザを滑らかに見せるなど、画質を良く見せるための様々な映像処理を担っており、各社のノウハウや技術力が凝縮されています。 映像エンジンこそが、「画質の決め手」と言っても過言ではないのです。

 

次のページでは、製品を選ぶ際のポイントや、購入後の調整で気を付けるべき点をご紹介します。

 

 

■■「脱スペック比較 高画質テレビの選び方」 シリーズ記事目次■■

第一回 ~ コントラスト比・輝度 (実用上のコントラスト比が重要)

第二回 ~ 色域 (色域の広さよりも正確な色再現性が重要)

第三回 ~ 解像度 (画素数よりも、映像エンジンが重要)   (この記事)