大学受験

40代・50代の親世代が知らない大学受験のリアル……習得すべき英単語は2000語も増えた

「大学受験は自分の頃と大差ない」その油断が、子どもの努力をムダにしているかもしれません。親が絶対に知っておくべき大学受験の“今”を解説します。※サムネイル画像:PIXTA

執筆者:All About 編集部

「大学受験は自分の頃と大差ない」その油断が、子どもの努力をムダにしているかも…。

「大学受験科目は自分の頃と大差ない」その油断が、子どもの努力をムダにしているかも……。 ※画像出典:PIXTA

「自分の頃はこうだったから」という親世代の経験則は、今の大学受験では通用しません。学習指導要領の改訂により、科目の内容も求められる学力も親世代の頃とは比較にならないほど変化しているからです。

今回は『親の過干渉こそ最強の大学受験対策である。』(菅澤孝平著)から一部抜粋し、「大学受験のシン常識」の一つ、親世代が経験したものとは全く違う「学習内容の変化」について紹介します。
<目次>

「歴史総合」「情報」が必須に! 

そもそも学校教育というのは、文部科学省が定めるガイドライン「学習指導要領」に沿って進められるわけですが、学習指導要領は約10年に一度のペースで改訂されていて、今の教育は、姿勢も中身も親の現役時代とはかなり変わっています。

直近で、新学習指導要領となったのは2022年。このときの大きな変更点は「社会」と「情報」、この2つでした。

社会での大きな変更ポイントは、世界史・日本史を統合した「歴史総合」という科目が生まれた点です。

それまでは世界史、日本史のいずれかを極めればよかったところが、今後は日本から見た世界、世界から見た日本の両方に取り組まなければなりません。

また、現代社会は廃止され、「公共」という科目が新設されました。

公共という科目に変わったのは、文部科学省によると選挙権が18歳以上に与えられるようになったことが背景にあるようです。法律や経済の仕組みに加えて、社会保障や金融についても詳しく学ぶようになり、私自身は「現代の日本に即した内容になった」と感じています。

「情報」は、問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を活用するための知識および技能を身につける力を養うことを目的として新設された科目です。

プログラミングも学びます。授業ではプログラミングの実技を行い、試験ではコードのエラーを見つけるような問題が出題されます。まさに情報工学系の大学1年生が行うような内容を高校生のうちに学ぶわけです。

現代文が評論と文学に分かれたり、古典が文学と言語文化に分かれたりなど、マイナーチェンジを挙げればキリがありません。

大学受験共通テストも、学習指導要領を踏まえて改訂されますし、国公立大学の2次試験の内容や私立大学の試験内容も、新しい学習指導要領に沿って適宜アップデートされることは確実です。

英単語は2000語増! 

現に高校卒業までの習得目標に掲げられる英単語数も、1000~2000語も増えています。

◾️旧学習指導要領
中学校1200語、高校1800語
→合計3000語

◾️新学習指導要領
小学校600~700語、中学校1600~1800語、高校1800~2500語
→合計4000~5000語

これだけ見ても、子ども一人では実質的にも精神的にも乗り越えるのが難しいのが現在の大学受験であることは想像に難くないでしょう。
  菅澤孝平(すがさわ こうへい)プロフィール
シンゲキ株式会社代表取締役社長。千葉県鎌ケ谷市出身。高校時代に偏差値32を経験。担任の先生と二人三脚で受験勉強をし、明治大学に逆転合格。その時の経験をもとに、誰かの挑戦に「伴走」したいという思いから、明治大学政治経済学部在学中にオンライン塾事業を始める。2021年、シンゲキ株式会社を創業。著書に『3カ月で志望大学に合格できる鬼管理』(幻冬舎)がある。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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