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音のいい部屋「かないルーム」に学ぶ(2ページ目)

いい音で聴くためには、「部屋」が大変重要です。今回は、試聴でお邪魔した、ソニー施設内にある金井氏のリスニングルームに注目。 家庭でも実践できる、音質向上テクニックをレポートします。

鴻池 賢三

執筆者:鴻池 賢三

オーディオ・ビジュアルガイド

かないまる式吸音ボード

クリックすると細部が拡大表示されます。

カーテンをめくると、壁面に、金井氏が考案したオリジナルの「かないまる式吸音ボード」が出現。 「かないまる式吸音ボード」は、合板の両面にグラスウールを貼り付けた構造で、天井から吊り下げられています。 合板が低音を受け、壁との間の吸音材がクッションとなり、吸音材だけでは難しい、低音の吸収にも効果があるそうです。

間隔が空けて設置されているのは、適度な反射音を残す為。 吊り下げる位置は左右非対称で、有害な反射音(平行な壁面間で起こるフラッターエコー)を防止しています。 ボードは固定されておらず、移動が可能なので、音を聴きながらの調整も簡単そうです。

印象としては、デッド気味(残響時間が短い)に感じますが、適度な反射が確保されている為か、不思議と息苦しさは有りません。 (反射や残響音の無い部屋では、話し声も吸収されて疲れます。 例えば、スキー場で声が通り難いのも、雪が音を吸収している為です。)

 

家庭に適した「かないまる式吸音ボード」の作り方は 金井氏の個人サイト「かないまる」の「サラウンド勉強会」紹介されています。

かないまる サラウンド勉強会

 

 

天井は全面吸音

かないルームの天井は、全面にグラスウールを施して吸音を行っているそうです。 金井氏のお話では、天井の反射音が最も有害で、全面吸音がお勧めとの事。

因みに、天井の高い部屋は音が良いという研究結果もあり、また経験もしてきましたので、天井反射の影響を抑えるというのは、リスニングルームで気を付けるべきポイントと強く再認識しました。

 

 

部屋の隅には「罠」を!

クリックして拡大。

写真は、フロントの壁面脇にあるトラップ(罠)。 構造は、丸めたグラスウールを詰め込んだ簡単なもの。 部屋の隅では、音が複雑に反射するとの事で、有害な反射音を抑制するのに効果が有るそうです。

グラスウールは、ホームセンターなどで建材として入手可能ですが、ガラス繊維が飛散しますので、取扱には注意が必要です。 一般のご家庭では、オーディオ用として販売されている吸音材や布団(綿)などの利用をお勧めします。

 

 

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