食と健康

Q. 「天日塩は血圧が高い人にも安心で、体にいい」って本当ですか?

【管理栄養士が解説】精製塩と天日塩は製法が違います。ミネラル含量が異なる分、味の深みも変わります。一方で、天日塩の方が体によく、血圧が高い人にも安心という説は疑問です。分かりやすく解説します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

Q. 「天日塩は血圧が高い人にも安心で、体にいい」って本当ですか? 

天日塩を作っている工程

「ミネラル豊富な天日塩は、体にいい」というのは本当?


Q. 「最近、親が天日塩(てんじつえん)を愛用しています。一般的な塩よりもかなり高価なようですが、『高血圧の人にもいいらしい』『普通の塩より体にいい』と話して、私にも勧めてきます。実際に天日塩は、健康にいいのでしょうか?」
 

A. 製法の違いでミネラル豊富ですが、塩は塩です。取り過ぎないよう注意を

普通の精製塩と天日塩の違いは、その製法にあります。精製塩は、海水から食塩の主成分である塩化ナトリウムだけを取り出し、濃縮したものです。天日塩は、海水から不純物を取り除いたものを濃縮して作られています。

そのため、天日塩の場合、主成分は塩化ナトリウムですが、マグネシウムやカリウム、亜鉛、カルシウムなどのナトリウム以外のミネラルも含まれています。天日塩のほうが味に深みを感じるのは、これらのミネラルによるものです。

体によいといわれる理由は、天日塩に含まれるミネラルの種類や量によります。種類豊富なミネラルが含まれている点では、健康によい影響を与えてくれる可能性はあるでしょう。ただし、天日塩に含まれるナトリウム以外のミネラルは数パーセント程度です。あまり過度な期待はしないほうがよいと思います。

そして天日塩といっても、塩は塩です。「天日塩ならば高血圧にならない」「血圧が心配な人は天日塩がいい」といった説もまことしやかにささやかれているようですが、天日塩もナトリウムを多く含んでいます。塩であることには変わりませんので、高血圧にならないとは言えません。体によいと考えて、塩分を取り過ぎてしまうのは危険です。天日塩を選ぶ場合も、塩分の取り過ぎには注意して、適切な量でおいしく楽しまれるのがよいでしょう。

■参考
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます