Q. 「天日塩は血圧が高い人にも安心で、体にいい」って本当ですか?

「ミネラル豊富な天日塩は、体にいい」というのは本当?
Q. 「最近、親が天日塩(てんじつえん)を愛用しています。一般的な塩よりもかなり高価なようですが、『高血圧の人にもいいらしい』『普通の塩より体にいい』と話して、私にも勧めてきます。実際に天日塩は、健康にいいのでしょうか?」
A. 製法の違いでミネラル豊富ですが、塩は塩です。取り過ぎないよう注意を
普通の精製塩と天日塩の違いは、その製法にあります。精製塩は、海水から食塩の主成分である塩化ナトリウムだけを取り出し、濃縮したものです。天日塩は、海水から不純物を取り除いたものを濃縮して作られています。そのため、天日塩の場合、主成分は塩化ナトリウムですが、マグネシウムやカリウム、亜鉛、カルシウムなどのナトリウム以外のミネラルも含まれています。天日塩のほうが味に深みを感じるのは、これらのミネラルによるものです。
体によいといわれる理由は、天日塩に含まれるミネラルの種類や量によります。種類豊富なミネラルが含まれている点では、健康によい影響を与えてくれる可能性はあるでしょう。ただし、天日塩に含まれるナトリウム以外のミネラルは数パーセント程度です。あまり過度な期待はしないほうがよいと思います。
そして天日塩といっても、塩は塩です。「天日塩ならば高血圧にならない」「血圧が心配な人は天日塩がいい」といった説もまことしやかにささやかれているようですが、天日塩もナトリウムを多く含んでいます。塩であることには変わりませんので、高血圧にならないとは言えません。体によいと考えて、塩分を取り過ぎてしまうのは危険です。天日塩を選ぶ場合も、塩分の取り過ぎには注意して、適切な量でおいしく楽しまれるのがよいでしょう。
■参考