人間関係

他人の目なんてどうでもいい! 未知の世界へ飛び込み、「心の自由」を手にしたアラ還世代たち

希望は人を生き生きとさせる。新しいことを始めると視野が広がる。いくつになってもチャレンジはできる。「やり残したことはやったほうがいい」そんな思いに突き動かされ、未知の世界へ飛び込んだアラ還女性たちの「心の自由」とは。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

アラ還だって好きなことをして弾けたい!

アラ還だって好きなことをしてはじけたい!

人間、高齢になればなるほど「新しいことにワクワクする」体験が乏しくなっていく。脳の前頭葉を鍛えるには、ワクワクドキドキが欠かせないのに、年齢を重ねるとそれが日常的に減っていくのだ。だからこそ、何かにチャレンジするのは大事なことだろう。

ドラマーを目指して

63歳、定年まであと2年となったところで、ヨウコさんが始めたのはドラムだ。

「私は歌もうまくないし、リズム感も悪い。楽器は大昔に少し電子オルガンを習っていたくらい。音楽を聴くのは好きだけど演奏するのは気がひけていました」

だがあるとき、いわゆるご当地キャラクターがドラム演奏をしているのを動画で偶然発見し、それが妙に心に刺さったという。

「大変だと思うんですよね、ああいう外見でドラムを叩くなんて。でもすごくかっこよかったんです。ワクワクしてきて、私もやってみたいと思った。考えたら、高校時代に付き合っていたボーイフレンドがドラマーだったなあ、学園祭でかっこよかったなあなんてことまで思い出して」

希望が人を輝かせる

誰にも言わず、ひそかに音楽教室の体験講座を受けてみた。まったく分からない世界に飛び込んだ「快感」があったという。

「同い年の夫は、定年になったらあれもこれもやってみたいと口にしていますが、思い立ったらすぐ始めた方がいい。今も夫には内緒ですが、週に1回、仕事帰りに通っています。いつかバンドを組んで演奏してみたい」

希望が人を生き生きとさせる。ドラムを始めて半年、少しずつだが上達していることがうれしいとヨウコさんは笑顔を見せた。

カクテルの勉強をしたくて

「お酒好きが高じてバーテンダースクールに通っています。今さら仕事にしたいわけじゃないけど、資格があれば知っているお店で1日バーテンダーをさせてくれるという話もあって。スクールで友達ができて、一緒にバー巡りをしたりしてる。この年になって新たな友達ができるなんて、本当にうれしくて」

そう言うのはミナミさん(60歳)だ。独立している子どもたちは応援してくれているが、夫は「今さら何をしてるわけ?」と冷ややかだという。

「でもスクール代は自分のパート代から出してますから、誰に遠慮する必要もない。記憶力が衰えているから、けっこう勉強しています。それもまた面白い。記憶力も鍛えることができると言いますからね。年をとったら、楽しいことだけして過ごせとパートの先輩からも言われています」

新しいことを始めると視野が広がる、考え方が変わる。いくつになってもチャレンジはできると自信もつく。

「本当にそうですよ。今までしたかったけどしてこなかったこと、興味があったこと、言い換えればし残したことをやった方がいい。そう思います」

ダンサーになる!

カヨさん(58歳)は結婚して28年、二人の子どもたちは就職し、上の子は家を離れている。

「上の子は小さいころヒップホップダンスにはまって、スクールに通っていたんです。その送り迎えをしながら、こういうダンスって楽しそうだなあと思って見ていました。私、更年期症状がかなりひどくて、ずっと体調を崩しながらパートで仕事をしていたんですが、なんとか脱した2年前、何か新たに始めたいと思った。そのとき浮かんだのがヒップホップダンスでした」

上の子に相談すると、今なら大人向けの教室がたくさんあるよと教えてくれた。早速、体験教室に行き、勢いでそのまま申し込んだ。同世代と一緒に週に1回、ダンスを習っている。

「この年だと社交ダンスの方がいいのかもしれないけど、そこはあえてヒップホップダンスですよ。アラ還だってはじけたいんですよ」

昨年からはレッスンを月6回に増やした。どんどんレッスンが楽しくなっているという。今年はスクール内の発表会にも出場するつもりだ。

「体が軽くなりました。何をやりたいかいろいろ考えたけど、ヒップホップダンスを選んでよかった。高齢になったらこうあらねばならないとか、人からどう見られるかとか、そんなことは吹っ飛びました。価値観が変わりましたよ。私は自由なんだと感じることができる。それがとてもハッピーな感覚なんです」

誰もがやる趣味ではなく、自分がやりたいこと、興味をもっていることに臆せずチャレンジする。それが体のみならず脳を活性化させる一番の方法かもしれない。

他にもスケボーやフルマラソン、ダーツやビリヤードなどに挑戦している人たちもいる。「今を楽しむ」のがアラ還以降、元気に生きる秘訣(ひけつ)かもしれない。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます