デジタルだから「キレイ」
ワンセグは、映像のコーデックとして、MPEG-4ベースのH.264を採用。 通常のデジタル放送に利用されるMPEG-2よりも、データ欠損時のエラー訂正能力が高い。
以前から、アナログ波のテレビ放送を視聴できるポータブルテレビや携帯電話は有りましたが、電波の受信状態が悪くなると、敏感に映像や音声の品質に反映され、映像がチラついたり、砂嵐のような画面になるなど、実用性の乏しいものでした。
一方、デジタル放送である「ワンセグ」は、電波の送出方式自体に改善がなされ、また、電波の状態が悪く、受信データが欠損するような状況でも、高度なエラー訂正(補償)機能により、映像や音声の品質低下を避けることができる仕組みになっています。
つまり、建物の中やビルの陰といった、電波状態の悪い場所、車での高速移動中など、電波の受信状態が常に変化する場合でも、受信状態の悪さがそのまま画面に反映されることはなく、安定した、「キレイ」な映像や音声を楽しむ事ができるのです。
但し、受信状態が一定の水準を下回ると、映像にブロック状のノイズが現れたり、映像や音声が全く視聴不可能となるなど、品質が悪くても何とか映るアナログ放送とは違った弱点もあります。
デジタルだから「多機能」
デジタル放送の特長として、映像や音声に加え、文字情報も放送・表示することができます。 番組情報、天気やニュースはもちろん、番組の内容と連動したWEBアドレスを送る事で、ユーザーは携帯端末のネット機能を利用し、ワンタッチでより詳しい情報を得るような視聴スタイルも普及しそうです。
例えば、「登場人物の持っているバッグが欲しい!」と思った瞬間に、「ネットでショッピング」も楽めるなど、放送と通信の融合が加速するきっかけとなるはずです。
ケータイはバッテリーの「持ち時間」が課題
デジタルである「ワンセグ」受信のメリットとして、アナログ放送の受信に比べ大幅な省電力化もポイントです。 同じバッテリーなら、5倍程度の長時間視聴が可能となっています。
しかしながら、現時点で発表されている、「ワンセグ」対応携帯電話の場合、テレビ視聴時間は、最長で2.5時間程度となっており、未だ不十分と言えそうです。
なぜならば、携帯電話の本文は通話であり、バッテリーを使い果たすまで、テレビの視聴をするユーザーが皆無と思われるためです。 当面は、バッテリーの残量を気にしつつ、ハラハラしながらテレビを楽しむ事になりそうですね。
将来的には、2007年にも燃料電池が登場し、バッテリーの持ち時間に対する不安は解消される見込みです。 よって、実用性を伴い、本格的な普及が始まるのは、2007年以降となるでしょう。
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