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THX流ホームシアター講座 (4) 低音を操る(2ページ目)

第4回) 低音を操る「定在波」

鴻池 賢三

執筆者:鴻池 賢三

オーディオ・ビジュアルガイド

定在波の対策方法。

対策方法としては、定在波によって現れる音圧の分布ムラをどのように解消するか? という事になります。 根本的には、部屋の3辺の比率を変える方法が有りますが、既に完成している住宅では困難な場合が多く、また、低音の反射を抑える為の吸音や、サブウーファーの追加も有望でな方法ですが、コストは掛かります。 このシリーズ記事では「手軽」をテーマとしていますので、これらの対策に関しては割愛させて頂きます。

では、費用がかからず、大きな改善効果が期待できる方法が有るのでしょうか?!

 

 

リスニングポイントをズラす。

この対策は、音圧のムラを解消するのではなく、リスニングポイントを、極端に音圧ムラの現れるポイントから外す方法です。 音圧の分布ムラがどの位置で現れるのかを知り、リスニングポイントを移動させるだけなので、費用がかからないという訳です。 

筆者が定在波の存在を知らない頃、部屋の中心にリスニングポイントを設定していました。 理由は、左右対称が心理的に快適で、壁面の反射音も均等になると考えた為です。 しかしながら、部屋の中心は、最も低音が聞こえない場所になっている可能性が高いのです。  今現在も、そのような配置をされている方は、結構多いのではないでしょうか?

 

 

理想のリズニングポイントを探す。

 

・青色のバーは、定在波のベースとなる周波数と、その共振周波数(,2倍、3倍、4倍、5倍)による、音圧の分布を表現。

・青色の濃い部分は音圧が高く、白い部分は音圧が低い事を表現。

・赤い線は、考慮すべき、共振周波数(1/2波長、2倍、3倍、4倍)の最大音圧部分と、ゼロになる部分を避けた推奨されるリスニング領域。 

赤い線の交差しているポイントが、リスニングに適している。 (部屋の縦、横、高さの3方向を考慮)

・下図は、標準的な6畳間(縦3.6m x 横2.7m 高さ2.4m)を例に図案化。 皆さんのお部屋の寸法に合わせて作図されると分かり易いでしょう。

 

上記の表からも、部屋の中心は、定在波の影響を強く受けるポイントで有り、リスニングポイントに適していないことが分かります。

 

 

さいごに

上記で推奨するリスニングポイント(赤い線が交差する点)の位置は、頑丈な壁を前提とした理論的なものです。  通常のご家庭では、壁面毎に強度が異なったり、柱や梁、家具などの凹凸により、理論通りにならないケースも多くあるはずです。

リスニングポイントを決める際は、前ページの実験も行われる事をお勧めします。

 

 

 

次回は、「音色が変わる」、有害な反射音についてです。

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