子供の教育

宿題と習い事、どう両立させる? 元教員のプロコーチが教える「続ける・やめる・休む」の判断基準

進学や進級で宿題量が増えると、子どもの習い事を続けるべきか、やめるべきか、一時休止すべきか――多くの保護者がこの選択に悩みます。元教員として現場を知り、現在はプロコーチとして活動する筆者が、このジレンマに対する解決の糸口を提案します。

坂田 聖一郎

執筆者:坂田 聖一郎

子育て・教育ガイド

小学校から中学校、中学校から高校への進学、あるいは学年が上がるにつれて増えていく宿題。「学業と両立させるために子どもの習い事をどうすべきか」という選択を迫られる保護者は少なくありません。

コーチを多数輩出するコーチング塾を運営する現役のプロコーチであり、小学校・中学校での教員経験がある筆者が、習い事を「続ける」「やめる」「いったん休む」という選択肢を検討するための考え方を紹介します。
宿題が増えた…習い事はやめるべき?

宿題が増えたら習い事はやめるべき?(画像出典:PIXTA)

選択の前に「センターピン」を見つける

どの選択が最適かを考える前に、「センターピン」の考え方を知っておきましょう。

これはボウリングのセンターピンのように、ここを倒せば他のピンも連動して倒れていくような、問題解決における重要な要素のことです。習い事と宿題の両立問題において、「子どもにとってのセンターピン」を見つけることが重要な鍵になります。

子どもにとって、本当の優先事項は何か

では、みなさんのお子さんにとってのセンターピンとは何でしょうか。

アメリカの著名な経営コンサルタントであり、『7つの習慣』で人生の成功と幸せを実現するための原則を記しているスティーブン・R・コヴィーは、物事を「緊急かつ重要」「緊急ではないが重要」「緊急だが重要でない」「緊急でも重要でもない」という4つの領域に分類しています。

センターピンは、この中で「緊急ではないが重要」な領域に位置するものです。

宿題は「緊急」なものかもしれませんが、全ての子どもにとって同じ「重要度」を持つわけではありません。一方、習い事は「緊急ではない」けれど、子どもにとって「重要」な場合もありますし、「重要でもない」場合もあります。

お子さんにとって宿題と習い事は、どの程度「緊急」なものですか? 「重要」なものですか? まずはそれを親子で考えてみましょう。 

まずは子どもの話をジャッジせずに聞く

最適な判断をするためには、子どもの本心を理解し、センターピンを見つけることが欠かせません。そのためにも、子どもの話を途中でさえぎることなく最後まで“聞き切る”ことが大切です。またその際、ジャッジや否定をしないことも肝要です。

子どもの真意を測りかねたときは、「どうしてそう感じるの?」といった深掘りする問い掛けや、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)の枠組みを用いた質問によって本音を引き出していきましょう。

親子は距離が近いからこそ、感情が入りやすく、つい親は子どもの発言を否定してしまいがちです。しかし、子どもの考えや感情に寄り添い、その意見を尊重する姿勢こそが、親子の信頼関係を築くことにつながります。

最適解は子どもと一緒に見つける

宿題と習い事の両立問題に悩んだときは、子どもにとっての「センターピン」を見つけるチャンスです。

「続ける」「やめる」「いったん休む」という選択肢のどれが正解かは一概にいえません。子どもにとっての「センターピン」、つまり優先事項を見極め、対処していくことが大切です。

中学生、高校生の時期は自我が芽生える重要な時期でもあります。この問題をきっかけに、子どもの話に耳を傾け、本音を引き出せる親子の関係性を築いていけたらいいですね。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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