貯蓄

1000万円以上貯蓄がある人は、0円の人に比べてコレが3倍?

「貯蓄が1000万円以上ある人」と「貯蓄が0円の人」とでは生活習慣にさまざまな違いがあります。その1つに「生活設計を立てている」という点があることをご存じですか? 今回は「2人以上の世帯」についてのデータをもとに、1000万円以上貯めている人の思考を最新データをもとに探ります。【2025年更新】

西山 美紀

執筆者:西山 美紀

貯蓄ガイド

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「生活設計」への考え方、あなたはどれが近い?

以前、「お金を増やすには『生活設計』を立てるのが近道?」の記事で、「生活設計を立てている」と答えた人ほど、貯蓄額が多い傾向にあるとお伝えしました。

今回は、貯蓄が1000万円以上ある人と、貯蓄が少ない人のデータを比較してみます。金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」(2024年)の「生活設計策定の有無」から読み解きます。ぜひ、ご自分の場合と比べながらご覧ください。

※当記事の「貯蓄」とは、「金融資産」全体のことを指します。また、例えば翌月のカード引き落とし代など、日常的に使うために一時的に貯めているお金ではなく、将来のために備えている貯蓄や運用のためのお金をここでは「貯蓄」とします。

※一部、ガイドがデータを再集計して算出しています。
「生活設計を立ててみる」ことも、貯蓄を増やす近道だった?

「生活設計を立ててみる」ことも、貯蓄を増やす近道だった?

「生活設計を立てている」割合に大きな差が!

「あなたは、生活設計を立てていますか」と聞かれたら、以下Aタイプ、Bタイプ、Cタイプのどれになるでしょうか。

●Aタイプ……「生活設計を立てている」
●Bタイプ……「現在生活設計を立てていないが、今後は立てるつもりである」
●Cタイプ……「現在生活設計を立てていないし、今後も立てるつもりはない」


ここで、貯蓄0円の人、貯蓄1000万円以上の人、中間くらいの貯蓄300万~400万円の人の回答の割合を見てみましょう。

・貯蓄0円……Aタイプ17.9%、Bタイプ40.9%、Cタイプ41.2%
・貯蓄300万~400万円未満……Aタイプ28.4%、Bタイプ55.3%、Cタイプ16.2%
・貯蓄1000万円以上……Aタイプ51.3%、Bタイプ35.4%、Cタイプ13.3%

 
図版

「あなたは、生活設計を立てていますか」と聞かれたらどのタイプ?(画像:「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」(2024年)をもとに作成)

まず、貯蓄0円の人を見てみましょう。「生活設計を立てている」のAタイプは2割未満で、「生活設計を立てていないし、今後も立てるつもりはない」のCタイプは4割もいます。

ところが、貯蓄300万~400万円未満の人では、Aタイプが3割近くに増え、Cタイプが逆に2割未満に減ります。

さらに、貯蓄1000万円以上の人に注目してみましょう。Aタイプが半数以上と、いっきに増えます。貯蓄0円の人(17.9%)に比べると、割合としては3倍ほどと大きな差です。「生活設計を立てている」ことと、貯蓄額との関係性が高いことが、なんとなく分かりますね。

「今後は生活設計を立てるつもり」のBタイプにも注目!

次に、「現在生活設計を立てていないが、今後は立てるつもりである」のBタイプの割合にも注目してみましょう。貯蓄0円の人は、Bタイプが4割いますね。貯蓄1000万円以上の人も、3割超と意外と大きな数字です。

実は「現在生活設計を立てていないが、今後は立てるつもりである」のBタイプの人は要注意です。「~するつもり」と思っているだけというケースがよくあるからです。そう思いながらずるずると先のばししてしまい、結局何もしないままであればもったいないですよね。

Bタイプの人は、少しでも早く生活設計を立て始め、「生活設計を立てている」と胸をはって言えるAタイプを目指しましょう。

貯蓄が1000万円以上あっても要注意?

貯蓄1000万円以上の人は、他の貯蓄額の人に比べるとAタイプが多いですが、一方で「Bタイプ+Cタイプ」を合わせると4割を超えます。つまり、貯蓄1000万円以上でも、半数近くの人が「現在は生活設計を立てていない」のです。

貯蓄が1000万円以上と多く、余裕があるので「生活設計については必要がない」と考えているのかもしれません。今はよいとしても、物価高や金利の変化が続いていますし、10年後、20年後になると状況が変わるかもしれません。今は貯蓄に余裕がある人も、ぜひ一度生活設計を立ててみることをおすすめしたいです。

以上、「生活設計」についての考え方を、貯蓄1000万円以上の人、貯蓄300万~400万円の人、貯蓄0円の人で比較してみました。

Bタイプ、Cタイプの人は「生活設計を立ててみる」ことに少し関心が湧いた方も多いでしょうか。ぜひ、生活設計をざっくりとでも立てるために、

(1)人生における「お金の使い時」を考える
(2)「貯め時」にガッチリ貯めて「お金の使い時」に備える

という2つのステップに取り組んでみてください。
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