貯蓄

株価の動きが激しいのでデイトレードしたい

トランプ米大統領が2025年4月2日に相互関税を発表してから、株式市場は乱高下していて鉄火場みたいになっています。こういう相場を見ると「ちょっとデイトレードで株を買って、ちょちょっとお金を稼げたりしないかな」なんて考えちゃいますよね。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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デイトレードをしてみたい

デイトレードをしてみたい

先日、読者より以下の質問が届きました。

「株価の動きが激しいです。相場に入った方がいいですか? 株を短期で売買するデイトレードをしてみたい気持ちはあります」

トランプ米大統領が2025年4月2日に相互関税を発表してから、株式市場は乱高下していて鉄火場みたいになっています。

こういう相場を見ると「ちょっとデイトレードで株を買って、ちょちょっとお金を稼げたりしないかな」なんて考えちゃいますよね。

そこで本記事では、個人投資家の筆者が、足元の株式市場で「デイトレするのはどうなのか?」について、考えていきます。

株式投資の利益の源泉

株には「投資」と「投機」という2つの側面があります。

投資は「資」産を買うことです。

手持ちのお金の対価として、配当収入や成長性といった「将来の収入」を受け取ります。100万円を投資して、年10万円の収入を受け取る、といった具合です。

投資はプラスサムゲームです。

100万円で株を買って、10万円の収入を受け取っていれば、10年で元を取れます。そこから先は、投資先が続く限りチャリンチャリンと継続的に収入を得られます。参加者全体のリターンも「プラス」です。

投資のリターンは株価とは関係ありません。むしろ、株価が上がっても下がってもリターンが増えるため、動けば動くほど好都合です。

株価が動かなくても配当収入を受け取れるから勝ち、株価が下がっても安く配当再投資できるから勝ち、株価が上がっても高く売って別の割安優良株を買うから勝ちです。

投資は地味です。だから、競争はそこまで激しくありません。就職して先輩にしごかれれば仕事ができるようになるのと同じで、地に足をつけて努力していれば誰でも稼げるようになると思います。

投資と投機、どちらの方が勝ちやすい?

投機は「機」会を買うことです。

手持ちのお金の対価として、「高く売るチャンス」を受け取ります。100万円を投機して、2倍にも3倍にも人気化しそうな株を買う、といった具合です。

投機はマイナスサムゲームです。

短期間で2倍、3倍に増やすチャンスはありますが、ごく一握りの成功者のウラには、10倍近い敗北者がいます。成功者は売買手数料や税金を払う必要があるので、参加者全体のリターンは「マイナス」です。

投機は派手です。短期間で何億円も稼ぐ人がいて、憧れる人もたくさんいます。これはスポーツ選手と同じで、競争はかなり激しいです。一生をかけて努力したとしても、稼げないままに死んでいく人がたくさんいます。

投資と投機、どちらの方が勝ちやすいか?と言われたら、言うまでもなく投「資」です。だから、筆者は「まずは投資を優先して、投機はおまけ」と捉えています。

さて、ここで「株価の動きが激しいのですが、相場に入った方がいいですか? 何かデイトレードで買ってみたい気持ちはあります」という質問に戻ります。

この答えに対する筆者の答えは「デイトレードは投機で勝つこと自体がハードルが高く、スポーツ選手を目指すようなもの」です。

生半可な努力ではスポーツ選手にはなれません。食事を制限し、規則正しく生活して、吐くほどトレーニングして、それでもスポーツ選手になれるかどうかは分かりません。人生全てを賭けてもダメかもしれません。

でも、投資であれば、多少腕が悪くても儲けられます。また、「プラスサムゲームのプラスを増やすこと」を目指すため、バカみたいに割高な株を避けたり、明らかに質の低い株を避けたりすれば実践可能です。

個人投資家の多くは兼業ですが、働いていて忙しい中「働きながらスポーツ選手になる」と言ったら明らかにむちゃだと分かります。しかし、「働きながら不動産オーナーになる」なら現実的だし、企業のオーナーになる株式投資も同様です。

なので、筆者としては「難しい投機(デイトレ)の前に易しい投資を学んで、投資で勝てるようになったら、さらに利回りを上乗せするために投機も学んだり実践してみたりするとよいんじゃないか」と思います。

株を買うのは自己責任である以上、どうお金を使うかは個人の自由です。

しかし、投機で何度も痛い目を経験したことがある筆者としては「確かに投機はスリリングで楽しいけれど、プロ雀士やプロポーカープレイヤーを目指すようなもので、かなり厳しい世界だ」と付言しておきたいところです。
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